※成長4年あたり/暗/無理やり
「な、なんのつもりだ…?」
「なんのつもり?見れば分かるでしょ。」
目の前の庄左ヱ門の表情は無表情で冷たく床のひんやりとした感触が後頭部から伝わってくる。最近態度がおかしいことは気づいていた。庄左とは委員会が一緒なだけで接点が頻繁にあるわけではないのだが、避けられているような気がした。委員会中の会話は最低限で廊下や食堂ですれ違ってもこちらに見向きもしない。今までは必ずといっていいほど声をかけられていたので違和感というかなんかモヤモヤした。心当たりはないがいつまでもこのままの状態では気持ちが悪い。仕方なく、委員会が終わり自室に戻ろうとする庄左ヱ門を引き留め直球に疑問をぶつけてみた。
“なんで避けるんだ”
すると凄みを利かせた声で僕の名前を呟いたかと思うと次の瞬間、表情か一変してニコリと笑った。
背筋が寒くなった。
蛇に見込まれた蛙のように体が動かず、ゆっくりと僕に近づくと鈍い衝撃が走った。
ハッとした時には床に押し倒されていて久しぶりにまともに庄左ヱ門の顔を見た。
「彦四郎、同衾はもう済んだ?」
「は…?」
「ハハッ、あるわけないよね。教えてあげようか?実践の経験はい組よりもは組の方が優秀だし」
「な、にいってんだ…?」
「最初は痛いかもね」
「……や、…」
「声は我慢してね」
「…い、…やだ…やだ、いやだいやだいやだ!!なにいっんんっ」
言葉が遮られ視界が暗くなった。
じんわりと目頭が熱くなる。
視界が歪みぼやけていたが庄左ヱ門の笑っている顔だけははっきり分かった。
「手取り足取り、教えてあげる」