※現代パロ+成長
「彦、まだ食べるの?」
そういうと逆にそれしか食べないの?と疑問を返された。いや、うん。僕も焼きそばとかたこ焼きとか串焼きとかりんごあめとか大分食べた方だと思う。
「庄って少食なんだな」
「彦四郎が食べ過ぎなんだよ」
「え?まだ全然食べてないよ」
「……」
祭りにいこうと誘って最初は嫌な顔をしていたクセに出店を見つけた途端目を輝かせアレが食べたいコレが食べたいと指折りをしながら僕の腕を引っ張っていった彦四郎が2パック目のたこ焼きに手をつけていた。大食いなのは重重承知の上だったけど改めて見るとやはり驚く。どちらかと言えば彦四郎は細身に入る体型をしているのにどこにそんな量が入るのか不思議でならない。
「あんまり食べ過ぎないようにね」
「わかったよ!あともう1パックの焼きそばとわたあめとパインとお好み焼きとからあげ(大)とかき氷で終わりにする」
「…お腹壊すよ?」
「これぐらい大丈夫!庄ももっと食べなよ!せっかくの祭りなんだぞ。ほらっ!」
ずいっと目の前に楊枝に刺さったたこ焼きを出された。
えっと、これは……。
「ほらっ落ちちゃうぞ!」
「あぁ、」
ぱくっと差し出されたもの食べると口の中に熱々のたこ焼きが入ってきた。
熱い。
口の中も、気温も、オマケに顔も。
「なっ!うまいだろ?」
「…うん」
僕の気持ちなんて知るはずもない彦四郎は無意識にこんな期待を持たせるようなことやってくれる。
美味しそうにたこ焼きを頬張るその横顔を見ながら静かにため息をついた。
「あっ!!」
「どうしたの?」
「焼きとうもろこし買うの忘れた!」
「…買ってこようか?」
「!!うん!!」
「……」
その笑顔反則です。