※成長/暴力表現/グロ有り
※病んでる






むかつくむかつくむかつく。腹がたつ。腸が煮え返る。どんな言葉を使ったって僕のこの気持ちを表すには柔な言葉すぎて言い表すことが出来ない。


「ほんっと、バカじゃないのお前」

「っ、…うっ……げほっ」

「あーあ、キレイな顔が台無し」

「…っ、…ごほっ」



殴ってやった。思いっきり顔面に3発と腹に2発。委員会が終わって後輩たちが帰ったのを見計らって伝七を床に押し倒して馬乗りになった。僕の突然の行動に驚きつつもまったく抵抗せずにおとなしくされるがままで余計に腹がたった。かわすことなんて容易に出来るクセに。


「気ぃ…済んだ…かよ、」

「全っ然」


唇が切れたのか血が口元に滲んでいるのを見ると背筋がゾクゾクした。キレイな顔もうっすらと紫や赤の斑紋が出来て実に痛々しい。やったのは僕だけど。ていうか僕以外に伝七にこんなことをするやつがいたらカラクリ部屋に招待してやる。もちろん生ぬるい仕掛けなんてそこにあるわけないよ、一度入ったら出口まで出れないし、怪我だけじゃ済まないようになってるから。


伝七に触れるやつは誰だって許さない。ていうか僕だけで充分だよね?汚い手で触るな。いやらしい目で見るな。手首切断して眼球えぐりとるよ?

…冗談。さすがにそこまではしないけど。たぶんね


「…っへいだゆ、」

「なに」

「…ごめ、ん」

「…なんで謝んの」

「嫌な思い…させた、」

「……」


理由も話さず殴ったのは僕なのにいつも伝七が謝る。大きな瞳からこぼれそうな涙を舌で舐めとってやると嬉しそうにはにかんだ。そのまま軽く唇を合わせると伝七が僕の首の後ろに手を回しそのまま抱き締める。伝七の匂いとあとかすかに血の匂いがするけど僕にとってこれは安定剤。


「ねえ、伝七は僕のこと好きでしょ?」

「…うん」

「好き、だけなんだ」

「…?」

「僕はね、閉じ込めておきたいくらい伝七が好きだよ。」



いつからだろう。

こんなに嫉妬深くなって感情が抑えられなくなったのは全部、全部伝七のせい。こうなっちゃったのはお前の責任なんだからちゃんと最後まで僕だけをみてて。




「じゃあ…閉じ込めてよ」

「本気でいってんの」

「兵太夫も一緒なら、いい」




何かが壊れる音がした。

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