現代パロ/大学生
ルームシェアみたいな



「うるさいうるさい」

「何拗ねてるんだってば」

「兵太夫には関係ない!」


バイトから帰ってきてみれば部屋が真っ暗で電気を点けるとソファーの隅っこで伝七が体育座りしていた。目真っ赤だし、鼻ぐずぐずいってるし明らかに泣いていたと分かる。理由を尋ねても“うるさい”の一点張りで教えてもらえそうにもないので隣りに座り頭を撫でてやろうとするとパシッと手を弾かれた。

「っ…、マジなんなわけ…意味わかんないんだけど」

「うるさい。もうお前とは別れるから」

「ちょっ、落ち着けよ伝七!」

「別れるっ!この浮気野郎が!!」

「はぁ?浮気??」


浮気なんて全く身に覚えが無い。携帯を見られてもやましいメールなんてないし、まああるとしたら伝七からのたまーに発生するデレメールくらい。もちろん即保護する。

まあそれで身の潔白を晴らそうにも肝心の何を目撃したかについて口を閉ざしているためどうにも出来ない。ていうかまた涙目になっている気がする。この状況じゃ絶対言えないけど……泣き顔って…興奮する。SかMかと聞かれるならば僕は間違いなくSだ。でも今組敷けば確実に別れる!って伝七は言うしそんなのごめんだ。別れるつもりなんて僕には毛頭ない。


「別れるなんて冗談言うなよ」

「本気だっ!」

「伝七がいるのに浮気なんてするわけないだろ!僕は伝七でしかたたないし」

「じゃあ部屋にあるAVはなんのためにあるんだ!」

「あれはっ、伝七がいない時用で…」

「嘘つき!もう知らん!」

「だってヌいとかないと伝七がつらいよ?足腰たたな」
「うるさい!もういい…バカしね。お前には性欲しかないのか!」

「そりゃあセックスは好きだよ。伝七限定で」

「……そーかよ…、」

「なあ、いいかげん教えてくれない?」

「………」


しばらく無言が続いて根気よく待っていれば相変わらずうつむいたままだがぼそっと何か聞こえた。

「…、…す………ろ」

「え?なに」

「…だからっ、キスしてた…だろ!」

「はあ…?誰と?」

「女の子と!」


そう言うと同時に顔をあげ思いっきり睨まれた。うわあ、その顔…すごくゾクゾクするんだけど…。さっさと誤解解いて今すぐにでも押し倒したい。
伝七の発言には見に覚えがあった。でも咄嗟にキスは避けた。てかさ、いくらなんでも告白してフラれたからキスだけでも、ってばかじゃないの?頭沸いてんの?キスでも無理矢理すれば暴行罪とかになるんじゃないの?詳しくは知らないけど。

まあ要するに伝七は僕が女の子と浮気したってのを勘違いしてた訳で、それでキレイな顔があんなになるまで泣いてたんだから愛されてるって証拠だよね。

ほんっとバカだよね伝七は。僕が好きなのは伝七だけって毎日言ってやってるのに信用しないなんて…やっぱりここはお仕置きしとかなきゃ。










真実を伝えるとこれでもかってくらい顔を赤くしてうろたえる伝七を押し倒した。さ、夜はまだまだ長いよ。言ってわからないのならば僕がどんだけお前が好きなのか体で教えてやることにしよう。








言葉でダメなら行動で
今夜は寝かせてやらない


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