「コレ落としたよ」「は…いや、僕のじゃ」「ううん、君の」笑顔で手渡された見覚えの無い真っ白な封筒。ハテナマークを頭に浮かべ丁寧に糊付けされた部分を無理やり開けてみると一枚の写真が出てきた。血の気がサーッと引いていく音が聞こえる。


ハッと顔をあげると先ほどの笑顔が消え「まだあるよ」と目の前の男が言った。ブレザーのポケットから数枚の写真が見え、体が震えた。「学内でのセックスとは」「やめろ」「なかなか度胸あるね」「やめろ!」「どう?気持ちよかった?」「やめろって言ってるだろ!!」


下校時刻を過ぎた静かな廊下に僕の声が響いた。「君の顔も相手の顔も撮れてる。それがどういう意味か分かるよね?」先ほどの笑顔がまるで嘘だったかのように男は捕食者のような鋭い眼光で僕を見据える。


「最低だな、お前」「生まれて初めて言われたよ」 黒木庄左ヱ門。成績は学年トップで教師からも厚い信頼を受ける男がなぜこのような卑劣な行為をするのか。僕には理解出来ないし、したくもない。だが悪足掻きをするだけ時間の無駄だということは分かる。


「何が目的だ」 ぎゅっと拳を握る。何を要求されるか分からない。自分はともかく相手に危害が及ぶのだけは嫌だった。


僕たちが立っていた真横の教室の戸をガラッと開くと中へ放りこまれ尻餅をついた。突然の出来事に何が起きたのか分からず目をぱちくりとさせるとゆっくりとした動作で僕に覆い被さった。
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