僕と争奪戦



まさかこんな小さなことで喧嘩してるとは思わなかった。



「ヒナちゃんのお菓子は色々とアレンジしてあって美味いんだよ!」

「当たり前だこのヒゲアロハ!ヒナの菓子はそこらのケーキ屋よりも美味いんだ!」



…僕のお菓子を褒めてもらえるのは嬉しいけど喧嘩しないでよ。
二人とも凄い剣幕で言い合いをしてる。
そんな二人に挟まれた僕のお菓子はなんだか可哀想。(なんていうか…自分を見てるみたいだ)
僕っていつも周りからあんな風に見られてるのかな?
あ…考えたらなんだか寂しくなった。(よし、この考えはもうやめとこう)



「…簡単なのでよければ今から作りますから喧嘩しないでください。」



これからは一人分多めにお菓子を作らなくちゃ。
苦労人って単語が頭をよぎったけどそんなことないと自分に言い聞かせると僕は冷蔵庫を開いた。
中には昨日作った白玉の残りが丁度二人分。(昨日タケさんがいきなり白玉が食べたいってだだをこねたんだもん)
よし、イチゴジャムもあることだしアイスを添えてイチゴ白玉にしようかな。



「タケさん、リエちゃん。おやつはイチゴ白玉で良いですかー?」

「「良いともー。」」



…。
ここは突っ込むべきなのか?
わからない、物凄いわからないよ!(ああもうそんな期待に満ちた目をしないでくれ!)
僕は溜め息を一つ零す。
僕によくしてくれる皆さん、僕はもしかしたら近いうちにストレス性の胃炎になるかもしれません。





END

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