××の月命日の次の日 私はそろそろ卒業を迎えるその場所に向かった 入れば、一瞬でしんと静まり返る教室 いやでも目に入る、一輪挿しの菊の花 私はうつむいて、自分の席に座った でも、なんだかやっぱり落ち着かなくて、荷物を置いたまま私は屋上へ向かった がちゃり、と音を立てて、重い扉を開く 私は広がる広い空を見上げた 「・・・・・・私は・・・・」 いつから、こんなに弱くなった? ××は、壬琴として、時代を超えたむこうで、幸せに暮らしているはずなのに、私はこんな浮かない顔 壬琴に、顔向けができないじゃない そう思えば、浮かんでくる、向こうの人たちの顔 愛しいと、そう思った彼を思い出す 私は涙がこみ上げてきて けれどそれを飲み込むがために、広い空を見上げた 青く広がる空は、私の悲しみなど知らないかのように晴れ渡る 気分が沈んでいるというのに、なんとも腹立たしい そう思えば、前に似たようなことを壬琴に言って、横暴だよ、怜奈ちゃん、と笑われたんだっけ なつかしい、な・・・ 「・・・・・・壬琴・・・・・」 私も、そっちに逝ったら、また会える? 私はそう呟いて、フェンスに近づいた 依存の親愛 → 戻 |