もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ








お母さんは私の首をくわえた
私は力が入らなくて、ぷらーんとした状態
痛いのかなって思ってたけど、神経が通ってないから首の後ろってかまれても痛くないの、動物になって初めて実感!
っていうのは置いておいて・・・
お母さんは私をくわえたまま、学園の壁を飛び越えた


【え、えぇっ!?】
【ふふっ、驚いた?私はこれでも忍狼なのよ】


お母さん、すばらしいジャンプ力でした
私は壁の内側に下りたお母さんに話されると、自分の足で立った
周りにはたくさん人間のにおいがあって、森に居たときとは全然違った
お母さんは周りを興味深く見渡す私にふふっと笑って、こっちよ、と歩き出した
私もその後ろについていく


【忍術学園では生物委員会という委員会があるのよ】
【じゃあ、そこにお世話になるの?】
【そのつもり】


ふーん、と返して、私はせわしなく周りを伺っていた
だって、あの忍術学園でしょ?
罠がたくさんあるだろうし・・・でもお母さんは忍狼だから、全部避けてるのかな・・・
しばらく行くと、なんだかギンギーンという声が聞こえた
・・・蝉なわけないし・・・人間?
でも私、忍たま乱太郎なんて乱太郎、きり丸、しんべヱ、土井先生、山田先生、学園長くらいしかしらないし・・・後ヘムヘム
だから誰かなんてわかんないなー・・・


【気になるの?】
【え、あ、うん・・・】
【そうね、じゃあ見に行ってみる?】


え、と私は声を上げて、お母さんはふふふっと笑うだけだった
確かに気になってはいたけれど、いいんだろうか?
私一人だと危ないからって、ついてきてくれるのかな?


【でも・・・】
【いいのよ、いくら貴方が元々人間だったとしても、今は違うの、私の子どもなんだから、甘えなさいな】


ね、といわれ、私はそれに甘えるしかないような気がして
私はお母さんに擦り寄って、ありがとうというしかなかった






「ギンギーン!」


声のする方にいけば、深緑の服を着た人が居た
鍛錬中というやつなんだろうなーと思いながらその人を見ていた


【・・・ねえ、おか「誰だ!」・・・・?】




不思議な問いかけ









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