side:仙蔵 「・・・じれったいなぁ・・・」 聞いてると普通にお似合いなのに・・・ そうこぼすのは話を聞いた怜奈さんだった 文次郎を壬琴にけしかけて、つれて返ってきたのを散々からかってから、私は協力者である怜奈さんのもとに来ていた 「あいつは普段から三禁がとうるさいやつだからな、簡単に認められんのかもしれん」 「これは壬琴に働きかけるしかないのかな・・・でも壬琴って文次郎くんに惹かれてるって言うよりは兄っぽい感じで接してるから・・・」 うーん、とまじめに考え込む怜奈さんだったが、答えは見つからないのか、少し考えた後にはぁっとため息をついた 「仙蔵くんいい案ない?」 「三禁にうるさいといっても、自分の気持ちに気づいた気がするんだがな」 「え、ほんと!?」 怜奈さんはきらりと目を輝かせた 私はあぁ、と首を振って肯定するのにあわせて、首もとでさらりと髪が揺れた 怜奈さんは嬉しそうに目を細めると、そっかーっと呟いた 「文次郎くんが気がついたなら時間の問題になるかな、ちょっと外見に難ありかもしれないけど、アレでも18歳の年月過ごした記憶はあるわけだから、精神的には問題ないはずだもんね」 わくわくと話す怜奈さんは本当に楽しそうで、純粋に壬琴が幸せになることを願っているようにも思えた 私としても壬琴は邪魔にならないし、頭の回転も悪くないため、文次郎のストッパーになってくれると嬉しいのだが・・・な 部屋を出てくる前に見た文次郎の様子だと、ストッパー云々の前に、壬琴を甘やかしてそうな気がしてならない 「あの二人、きちんとくっついてくれるといいね、仙蔵くん」 怜奈さんがにこりと笑ってそういう 私はそうだな、と返して、二人が居るだろう自分の部屋のある方へ視線を向けた 協力者の二人 → 戻 |