がらりと音を立てて開けられた扉 そこには頭の悪そうな男を後ろに控えさせた、羽振りの良さそうな色男 そしてそれを連れてきた男・・・私達を連れてきた奴が居た 「ほぅ・・・、また珍しい毛色の変わったのを捕まえたな」 「えぇ、私も青みのかかった白髪の、しかも碧眼の幼子を見たときにこれはと思いましたよ」 吟味する視線にぞわりと鳥肌が立った 気持ち悪い、今すぐあの男の喉笛に噛みついて殺してやりたいほどだ けれど、こいつらの目的は私の方が強いって事は分かった と言うことは、怜奈ちゃんだけでも助けられる方法は、やりようによってはあるって言うこと 私は後ろで手を握る怜奈ちゃんの手をぎゅっと握った 「貴方達の目的って、私だけなの?」 「そうとも言えるし、違うとも言えるさ」 私が問えば、笑いをこらえたような声音で男が答えた はっきりしないその答えは、私に明確な答えを与えてくれるものじゃなかったけれど 「ふむ、いいだろう、いくらだ?」 「そうですねぇ・・・これくらいでいかがでしょう」 目の前で行われる取引に、私はいつ怜奈ちゃんを逃がせるか機会をうかがった こそり、とうしろに声をかける 「怜奈ちゃん、私が気をひくから、怜奈ちゃんは学園に戻って」 「っ!でもそしたら壬琴ちゃんは・・・」 「私なら平気だから・・・それに、青白い髪が珍しいっていう私が逃げたら追いかけてくるだろうけど、黒髪の怜奈ちゃんならきっと・・・」 私が説得すると、怜奈ちゃんはとりあえず頷いてくれて、私は合図をする機会をうかがうだけになった 商談に夢中な男たちの姿に、私は行けるだろうと判断して、がんばって緩めておいた縄を外して、指で犬笛を鳴らした ピイィィィッ! 鋭い音がかすかに聞こえて、私は少しだけ耳を押さえたくなった 後ろの怜奈ちゃんはきょとりとしているようだし、成功したみたい 私は縄を解いたことに気づかれないよう腕を後ろに回して、狼たちが気がついたことを祈った 助けは祈りにも似た → 戻 |