彼女はむくりと起き上がり、目をこする 私はその手をぱしんとつかんだ 「そんなことしたら、目を悪くちゃ「・・・××?なんで・・・あの時、目の前で・・・トラックにひかれて・・・・!」・・・・・え?」 最初の部分はノイズがかかって聞こえなかったけれど、トラックに轢かれてというのは凄く身に覚えがある そっか、あの時居たんだ、あそこに・・・ 彼女は泣き出して、そのまま私にしがみついた 「・・・っ××・・・!何で死んじゃったの・・・!一緒に夢を目指そうねって話してたのに・・・!」 「・・・・怜奈、ちゃん・・・」 私は彼女を抱きしめて、ごめんね、と謝った そして、お願いだから泣き止んで、今の状態をちょっと把握してね、と言った 怜奈ちゃんは何のことだかわからず、きょとりとしていたが、周りを見渡して、学園町を見つけると、え・・・と声を上げた 私はすっと頭を下げて、見苦しいところをお見せして申し訳ありませんと頭を下げた 怜奈ちゃんも慌てて私にならい頭を下げる 「・・・・ふむ、まあ、壬琴の言い分を信じよう。そちらの彼女も、報告では空から降ってきたところをお主が助けたのだと聞いておる。共に学園に居ると良い」 「本当ですかっ?・・・っありがとうございます・・・っ」 私は学園長の言葉に思わずぱっと頭を上げて、そして再度深く頭を下げ、事務の仕事を手伝わせてもらえるよう頼んだ ――――― side:学園長 「良かったのですか?許しても」 天井から降りてきた伝蔵がそう言った その言葉に視線をやって、わしはお茶をすする 「色を教えるよい機会じゃろうて。・・・壬琴の方は、気づいとるかもしれんが」 あの子は、賢い そう思わせる言動があった 忍狼であろうと忍者であろうと、優秀になることだろう それがあの子にとって良いことかどうかは別だが・・・ 湯のみには茶柱が立っていた 思惑の駆け引き → 戻 |