外に出れば皆がいて 私は近くに寄った ・・・文次郎の横なのはご愛嬌です 隣に行った私に、文次郎は笑って頭をなでてくれた そのときに三郎とか兵助とかがなんだか引いていたのを見ちゃったのは文次郎には秘密 文次郎の手は鍛錬してるからごつごつしてるけれど、でっかくて優しくてあったかいから好きだ 墨のにおいも習字をやっている時を思い出す そんな私に、ハチは笑った 「壬琴は本当に潮江先輩が好きだな」 「文次郎は私の名付け親だし、話せる人だったから!」 でもハチも好きだよ、といえば、ハチは苦笑してありがとな、と言った 「それにしても、潮江先輩、話せてたんですか」 「あぁ、最初に会ったときからな」 「いるのがばれたのも私の声が聞こえたからなんだよ」 きっとあの時喋らなかったら私はもっと違う名前をつけられていたから にこにこと笑っていたそのとき、私は何か違和感を感じた 表情が固まった私を見て、心配そうに皆が私を見る ジュンコ姉さんもなんだか私と同じ感じで、空を見上げていた 「・・・・・・・・・来る」 私が意図せずそう呟いたとき、雲のなかった空が突然ぴかりと光った 眩しくて空から目をそむけて、光の後にもう一度空を見上げたとき 降って来るそれを見つけた 「人・・・アレ人だよ・・・!」 私は小さなその影に向かって走った その人影の下にたどり着いたとき、既にその影は近くまで来ていて 「・・・っ!!」 私はその子を抱きとめた 凄く軽くて、抱きとめた感じのしなかったその子は、私の友達に、よく似ていた 空から降る奇跡 → 戻 |