もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ





side:小平太



桃色のくのたま制服を来た子が食堂から出て行った
長次はそれを目で追って、少しほっとしたような雰囲気を出した
ということは、アレは長次の幼馴染なんだろう


「長次、幼馴染の風邪が治ってよかったな!」
「・・・あぁ」


私たちは角を曲がった桃色を見送り、食堂に入った



ぐるりと食堂内を見渡せば、仙蔵と文次郎がいるのに気がつき、そこに座った


「おはよう、二人とも!」
「朝から元気だな、お前」
「それが小平太の取り得だろう?大体、お前も深夜からずっとうるさいだろう」
「なっ・・・!」


もんじは仙ちゃんに文句を言っているけれど、仙ちゃんは聞く耳を持たず、お茶を啜っている
私はそれには目もくれず、長次が持ってきてくれた朝ごはんに手をつけて掻きこみはじめた
今日もおばちゃんの料理は美味しいな!
もんじは諦めたのか、もう仙ちゃんに何も言わなくなった
仙ちゃんがお茶を飲み終わると、二人は席を立った


「俺たちは先に行くぞ」
「わかった、またなー!」


私は二人に手をぶんぶんと振ると、まだ食べ終わっていないご飯を掻きこみはじめた





交差しない道







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