私が次に眼を開けたのは、日の光が差し込む朝だった 結局、あの後ずっと眠ってしまったようで・・・疲れていたのかな 起き上がってみれば、体の疲れはすっかり取れていて、熱があるという感じのだるさがなくなっていた 「おはよう、篤葉ちゃん」 「おはよう、伊作くん」 大丈夫?と声をかけてくれる伊作くんが温かく感じた あぁ、心配させちゃったんだなと思い、申し訳なく感じるけれど、心配してくれる人が居るということにとてもありがたみを感じた 私は伊作くんの大丈夫?の言葉に頷いた 伊作くんは、熱だけ測らせてね、と言って私におでこをくっつけた 少しして、伊作くんがもう大丈夫だけど、でも念のため薬は飲んでね、と言われたので、頷いて返した 「もう、授業に出ても平気かな?昨日はお休みの日だったけれど、今日はそうじゃないから・・・」 「大丈夫だよ、でも無理はしないこと、本調子じゃないだろうからね」 「うん、ありがとう、伊作くん」 私は薬を貰って、医務室を後にした 部屋に戻ってから桃色の制服に着替えると、薬を持って食堂へ向かう 既に食堂の席は埋まりかけていて、私はおばちゃんに貰ったご飯を片手にどうしようかと見渡した 「篤葉」 「あ、仙蔵くんと文次郎くん・・・」 すぐ横から名前を呼ぶ声がして、見れば仙蔵くんと文次郎くんが座っていた 文次郎くんのすぐ隣は開いていて、いいの?と聞けば、良くなかったら声などかけないといわれた もっともだ、と私は笑って、文次郎くんの隣にお邪魔した いただきますといってから、私はご飯を食べ始めた いつもよりもゆっくりとかみ締めてご飯を食べる 雑炊も美味しかったけど、やっぱり定食のほうがおいしいなぁと思いながら、私は頼んでみんなよりも少なくしてもらっているご飯を食べ終わり、おばちゃんに頼んで白湯を貰って苦い薬を飲み干した 良薬口に苦しというけれど、毎回の薬の味はどうしても好きにはなれない 「また風邪か?」 「うん・・・」 「相変わらず篤葉は体が弱いな・・・またやせたか?」 私は仙蔵くんの問いには苦笑で返して、私は席を立った 「相席ありがとう、私先に行くね」 「あぁ」 「お大事にな」 おばちゃんにご馳走様でした、と食器を返してから、私は食堂を後にした 私の後ろ姿を入れ違いに入ってきた七松くんと長次が見ていたのに、私は気がつかなかった 風邪の後に → 戻 |