side:半助 「朝日奈は大丈夫なんですか?」 「・・・正直、きついでしょう・・・もしかしたら、明日には心臓が止まっているといういうのもありえます」 元々体の弱い子ですし、既に薬で命を繋いでいるような節がありましたから・・・と新野先生は呟いて、朝日奈を見た 意識が戻るまでは付きっ切りで診るという新野先生に、朝日奈をお願いして、私は学園の見回りに戻ろうとした 「土井先生」 「シナ先生・・・」 「朝日奈は大丈夫そうですか?」 医務室を出たところで、シナ先生と会った もう他のどなたかの先生が知らせてくれたんだろう 私はあまり浮かない顔で、出てきた医務室を振り返った 「あまりいい状態ではないそうで・・・」 「そう・・・」 シナ先生は、視線を落とすと、私に挨拶をして、医務室へ入っていった 戸が閉まるのを見てから、私は見回りに戻った ――――― side:仙蔵 「嫌な予感がするんだ、なんだか後ろ髪を引かれるような・・・・」 小平太が浮かない顔でそういった そういわれてもどうしようもないのは小平太も分かっているのだから、ただ呟いただけなのだろうが 「虫の知らせってやつじゃないのか」 「なにを知らせるって言うんだよ」 「それが篤葉ちゃんが死んだ、とかだと本気で冗談にならないし、さすがに僕怒るからね、文次郎」 文次郎が伊作に怒られた まあ、確かに篤葉が死んだなどといわれたら確実に冗談では済まされないからな いつ死ぬか分からないような状態なのだし、伊作はそれを近くで見ているからなおさらだろうな 「・・・さっさと終わらせて学園に戻るのが一番だろう、へまをするなよ、篤葉と私で考えた作戦なのだからな」 私がそう声をかければ、5人の是の答えが返ってきた どうか小平太の嫌な予感とやらが当たらないことを願って、私たちは忍務に赴いたのだった 虫の知らせ → 戻 |