ご飯を食べ終えてから、私はやることがあるから、と先に部屋に戻った 自分の部屋に入って戸を閉めると、私は顔をおさえて座り込んだ 今私の顔は真っ赤になっていることだろう 「小平太、くん・・・」 呟いて、またなんだか恥ずかしくなってきた 名前を呟くだけで、私はこんなに幸せになれる これ以上の幸せなんて、望まないわ だって、そんなの罰当たりだもの、これで十分・・・ 私は、先日の風邪が治ってから日が経たぬうちにまた体調を崩した はじめからこれでは、この卒業までの一年持つか危ういのではないかとも思う 「朝日奈先輩、大丈夫ですか?」 「ごめんなさい、心配かけて・・・大丈夫よ」 体調を聞いてきてくれた乱太郎くんに笑みをこぼし、布団から手を出してそのふわふわの髪をなでた 乱太郎くんはでも・・・と視線をさまよわせて、諦めたように私に視線を戻した 今までの私の態度から、大丈夫と言うとそれを変えないことは分かっているんだろう まぁ・・・散々それで言ってきたものね 伊作くんに言われても意志を変えないんだから、乱太郎くんが諦めるのも無理はないのかもしれない くすくすっと私は笑顔を浮かべた そんな私を、きょとりと乱太郎くんは見つめる 「あのね、私が医務室でこうやって笑って過ごしていられるのも、保健委員のみんなが相手をしてくれるからなの。だから、もしよければ乱太郎くんが最近遭遇した出来事、話してくれないかな?」 私がそういえば、乱太郎くんは笑って最近起こったは組の出来事を語ってくれた 相変わらずトラブルというか事件に巻き込まれることの多いは組は、その分経験を積んで、きっとたくさんの子が6年生まで残るんじゃないかなと思っている きっと、私はそれを見ることなく逝くことになるのだろうけれど、なんだか1年は組の行く末を考えると、わくわくとするのだ 未来があるって、とてもすばらしいことだと、そう心から思う それと同時に、私の未来はとても限られているということが、とても残念でならないの けれど短い命だからこそ精一杯輝きたいと思うのは、私のワガママになってしまうのかな・・・ 叶わぬ未来に思いをはせる → 戻 |