もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ






side:凛奈



なんだか助けられちゃった
か弱い乙女だから、助けられて当たり前だけど

兵助くんは、私に大丈夫ですかって聞いてきてくれた
私はそれに笑って大丈夫よ、ありがとう、って返したら、すぐに顔を真っ赤に染めた
うふふっ、おもしろーい

それにしても、あの子、私の顔見ても全然動揺とかしなかったし、凄い淡々としてたわね
・・・・・・みんな私に犬みたいに尻尾振ってくれるのに、なんだか新鮮な感じ
あーいうのを落とすのも楽しそうよね?

正直年齢的には範囲外なんだけど、でもゲームみたいで面白そうっ
あはははっ!




―――――
side:凛



「・・・・・きもちわる」


あの天女様の笑顔見ると気持ち悪くなる
こう、なんだか笑顔が完璧で反対に危ういような、そんな気がする
間近で見ることなんてなかったから初めてだ、こんなの
僕は頭を振ってさっきの笑顔を振り切ると、残ってる火薬壷を奥に運ぶためまたさっきの場所に戻った
どうやら久々知先輩が危ないからって帰らせたみたいで、天女様の姿は既に無かった


あぁ、やだな、この後まだ食堂であの人みないといけないんだ
その前に数馬に会おう・・・もうやだ、疲れたよ・・・




完璧がゆえに








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