もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ






side:凛奈



・・・なんだか、あの二人、最近怖い
私を見る目がとても暗いわ
気持ちが悪い・・・あんな子達、私の世界に要らない
どうすれば、私の箱庭から追い出せるかしら・・・
・・・あ、そうだわ・・・私の箱庭だから、私がそう働きかければ、みんなきっとあの子達を追い出してくれるわね
ふふっ、そうすればこの場所は、私の本当の箱庭になる
とぉーっても楽しみだわ・・・・
そうと決めたら早速、あの子達を追い出すために動き始めなきゃ・・・


「あ、兵助くん―――」


ねえ、あの凛次郎くんって子、なんだか怖いの・・・私のこと睨んでくるみたいで・・・・
ちょっと落ち込んだように話せば、兵助くんは私を心配して、俺から言っておきますっていってくれた
ふふ、楽しみ・・・絶望に染まって私の世界から居なくなればいい・・・・あはははっ!



―――――
side:凛



「なあ、凛次郎、最近凛奈さんのこと睨んでるのか?」
「え?」
「凛奈さんが怖がってたから、やめてやれよ。あの人はいい人なんだから・・・」
「・・・・あぁ、はい、わかりました」

どうしてかなぁ、僕睨んでたつもりは無いんだけど
あぁ、それとも僕の狂気があの人に向いちゃったのかなぁ
僕の狂気は夜にしか出ないのに・・・昼間に出るなんて・・・僕もまだまだ未熟だね・・・あははっ
気をつけなくっちゃ・・・そうじゃないと・・・僕らは学園に消されちゃうもの
知ってるよ、5年生になって殺しの実習があった後、僕らみたいに狂っちゃった人はみんな殺されちゃうんだもんね?
忘れられちゃった人たちはみんなくるっちゃうの
死んでも、生きてても・・・あはははは!!

あぁ、だめだ、ちゃんと笑わなきゃ、ちゃーんと"僕"であらないと
そうじゃないと、天女様が心配するもんね?




忘れられて狂う人








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