た 僕が落ち着いてから夕食を食べに食堂に行けば、殆どの人が食べ終わって、凛奈さんを囲んでいた 僕も数馬もそんなの興味なかったから、おばちゃんに定食を頼んで、集まってる場所から一番遠い端っこに座って食べていた 別に早く食べようとかそういうのは言っていなくても、この空間に居たくないのは僕も数馬も一緒で 自然と食べる速度は前よりも早くなっていた そうして食べ終われば、すぐに部屋に戻る 数馬の部屋だと、藤内が居ないのが凄く悲しくなるから、一人部屋の僕の部屋に引き上げて二人でくっついてるんだ そうして寂しいね、と呟く毎日 こうして二人過ごす日は、後どれくらい続くんだろうね・・・ ――――― side:藤内 「あの二人って、だぁれ?」 「え?」 凛奈さんに言われて、出口の方へ歩いていく萌黄色の制服を着た紫色の髪と暗い赤茶の髪の二人が見えた ・・・誰だっけ?そう一瞬思って、あぁ、そうだと思い出した 「紫色の髪のほうが三反田数馬で、赤茶の髪が九条凛次郎です」 そうなんだ、と言った凛奈さんは、ちょこっとだけ寂しそうな顔をして、お話してみたいなぁと呟いたのが見えた どうしてあの二人は凛奈さんと話さないんだろう? あったかくて、優しくて、とてもいい人なのに・・・ そういえば、少し前まで別の温かくて優しい場所があったような気がしたけれど、僕は思い出すことはできなかった 思い出すことも億劫で → 戻 |