もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

春分


「んー・・・おぉ?ジュンコさんかー」


まだ寒いが、その中でふとあったかくなるときがある
俺はそういうときに学園の散歩をするんだけど、今日も日差しが温かくて気持ちが良かったから散歩してたんだ
あ、もちろん綾の落とし穴にはつかまらない
綾はなんだか悔しそうだけれど、さすがにアレばっかりは落ちようと思えないんだよな

そしてその途中でジュンコさんを見つけた
何をかくそう、俺実は最初の委員会決めで生物になったんだ
だから生物のみんなとは仲が良い、たまに性格で盛大にずっこけさせることはあるけどなー

って、話がずれたけど、ジュンコさんは散歩が好きだからすぐにどこか行っちゃうんだよな
おかげでまごへーが寂しがってて、でもジュンコさんそれたまに面白がってるだよね・・・
俺はジュンコさんの目線に合わせるように(それでも大きさ自体違うからあわせられないけど)しゃがんで話しかけた


「ジュンコさん、まごへーにちゃんといってきた?」
シュー
「え、言ってないのか?ダメだぞ、まごへーが心配して泣いてしまう」
シューシュー
「・・・楽しむのは良いんだけど程ほどにするようにしてくれよー、俺まごへーがないてるのやだぞ?」
シュー・・・
「おぉ、ありがとうな」


あ、俺、動物と話せます
ヘムヘムで分かった人もいるかもしれないけど、なんとなーくわかるんだよなぁ
これハチ先輩に言ったらお前野生だからだろって言われたけどなんでかな
確かに放浪してたけど野性じゃないと思うんだけどなー、学園に飼われてると思うんだ
とりあえず俺はジュンコさんを手に巻きつけてまごへーを探しつつ散歩を再開した




シュー
「うん?まごへーの声が聞こえたって?そっかそっか、それってどっち?」
シュー、シュー
「ん、こっちか、分かった」


俺はジュンコさんが言うまま歩き出した
動物って言うのはこういうときに感覚が鋭くてうらやましいよなー
俺白兵戦極めるようにがんばってるんだけど、そういう感覚があると楽だよなぁって凄く思うんだよね
虫獣使いになったらおしえてもらえんのかなーとか思うんだけど・・・


「・・・!」
「お、聞こえてきたな・・・・まごへーっ!!」


俺は半分涙目のまごへーを見つけると大声で叫んだ
まごへーはこっちを振り向くと目をまるく見開いた
・・・そんなに驚くことあったかなー
まごへーは走ってこっちによってくると、ジュンコ!と叫んだ


「ジュンコさん、まごへーのところ戻りな」
シュー
「ん、またねー、おやすみ」


ちょん、と俺が頭をなでると、ジュンコさんはまごへーの首に戻っていった
俺はまごへーの頭をなでると、俺散歩の続き行くねー、またーと言ってその場を去った





春分



―――――
もしかしたらこの時期はまだ冬眠から起きてないのかなーって思ったんですが、ちょっと調べてみたら何日か置きに起きるんだそうです
なのでそれを良いことにジュンコさん散歩させてみました
・・・ということで、あの、冬眠してるんじゃ・・・?の突っ込みは無しでお願いします・・・w

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