もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

夏至







「日が長いなぁ」
「夏至だからな」



ぼけーと髪を触られながらみる空は、赤く染まり始めていた
けれど今はそろそろ酉の刻になるかくらいだった


「滝、は」
「なんだ?」
「赤よりも・・・きっと紅のほうが似合うよね」


髪を梳く手がぴたりと止まった俺は不思議に思ってたーきー?と呼ぶと、なぜだかどもって返事が返ってきて


「どうしたの?なにか俺滝が動揺することいったー?」
「いや・・・気にするなっ」


なんか俺、滝に変なこといったっけなー
ただ夕日の沈む朱色よりも、血のような紅の方がきっと女装のときに滝に栄えるだろうなーって思っただけなんだけど
今度贈ろうかな、街いったときにでも買おう


俺はそう決意して、滝が梳いてくれる感覚に、気持ちよさそうに目を閉じた


あ、その後紅色の紅を送ったら滝に怒られた、なんでだろーね?




夏至

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