もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

小満






「ん、そこにいるのは三木ー?」
「睦月か、どうしたんだ?」


虫探しをしていたら三木を見つけた
・・・一緒にいるのはユリコかな?サチコかな?
俺は三木に虫探しーと返すと、三木はそうなのか、大変だなと答えてくれた
別に俺が頼めばみんな来てくれるんだけど、また散歩したいみたいだから、俺も虫探しという名の散歩中なんだよなー、実は

だから暇なので、俺はじーっと三木を見ていた
さすがにずっと見られるのは居心地が悪いみたいで、なんだか三木がやりにくそうにしている


「・・・虫探しは良いのか?」
「うん、だってほら、みんな散歩したいっていってたからね、もうちょっと外にいたほうが良いかなって」
「そ、そうなのか」


なんだか三木がびみょーな顔でそういった
俺そんなまずいこといった?
自覚はないんだよなー、だからいつもクラスメイトに怒られるんだけどさー


「三木、三木」
「何だ?睦月」
「俺、三木がカノコやユリコたちと一緒にいるところを見るの、好きだよ」


凄く楽しそうだし、見てるこっちが嬉しくなるんだ
とにこーっと言うと、三木は全力であさっての方向に向いた
そしてなんだか焦ったようにそ、そうか、それは嬉しいなと言って、カノコに話しかけてた
どうやら今日はカノコと一緒だったらしい


「ん、そろそろみんなを集めないと」
「そ、そうか、がんばれ」


三木もねー、と俺は返して、すたすたとその場を後にした
後ろでは顔を赤らめている三木がいることなんて知らないで





小満

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