もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

きっと君が悪い


小平太×主




するり、と天井から降りてきた影に、私は気がつかなかった
それに気づいたときには、既に手遅れ






「ぅ・・・あっ」


ぐちゃぐちゃと鳴る水音が耳につく
鳴らして私の反応を見ているだけだろう
動じなければいいのに、それを分かっているのに、私が反応してしまうと、彼は分かっている

「やめ・・・っ」
「ん、もっとやって欲しいのか?しょうがないなー、茜は」


ちがう!と否定したかった
でも先ほどにも増して激しく動かされる指に、"女"の私は逆らえなくて
声を出さないように布団に顔を押しつける
ぴしゃっと床に水がはねる音がした


「お、吹いたな。そんなに気持ちよかったか」
「っ!」


彼、小平太の台詞に、私は顔を赤くする
手だけでイかされて、それだけでも恥ずかしいのに、吹くなんて・・・
楽しそうに話す小平太が動く気配がした


「茜だけ気持ちいいのはずるいっ」
「や、ちょっと待って・・・っあぁっ」


イったばかりで敏感なのに、小平太は構いもせずに勢いよく押し込んだ
それだけで私は弓なりにのけぞり、軽くイってしまう
小平太が私の腰を掴んで強く打ちつけると、その動きに合わせて水音が、身体を打ちつける音が、部屋中に響く


「うーん・・・声がないとつまらないな」


必死でこっちは出さないようにしているというのに、小平太はそう呟くと、布団を奪って部屋の隅に投げた
私は腕を口に当ててどうにかこらえようとするが、小平太は私の両の手に自身の指を絡ませ、私の頭の横に縫い付ける
塞ぐ物が無くなかった私は、だらしなく喘ぐ
止まらない自身の声に、私は泣きたくなった


「っ茜、」
「こへ、たぁっ」


小平太が私の名前を呼んで、私が答えれば、彼は打ち付ける速さを増して
最奥部に注がれる感覚を覚えながら、私は意識を飛ばした




―――――
side:小平太




ぬちゃりと音を立てて抜けば、穴から出てくる白
気絶してしまった恋人に、無理をさせたかーと反省する
でも、止まれないくらい可愛い茜が悪いっ、今私がそう決めた!
私はふあーと大きく欠伸をすると、気絶した茜にキスをして、後始末をしてから投げた布団を引き寄せると、茜にかけて、そのとなりに潜り込んだ



きっと君が悪い