もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

風邪の日注意! 後





異物が入る感覚
ぐりぐりと押し進めてくる指を戻そうと身体が抵抗する


「いたい・・・やめ・・・てっ!」
「大丈夫、すぐに気持ちよくなるから」


ぶんぶんと首を振って否定の意を表すも、雷蔵はまったく意に介さずに指を押していく
ある程度入ると中で何かを探すように指がナカを弄る
俺はそれが不愉快で、ぬいて、とただうわごとのように繰り返す


「っあぁっ!?」
「みつけた」


身体がびくりと跳ねる
電撃が走るようなその感覚に、艶を含んだ叫び声をあげた
嫌だといくら言っても終わらないその行為に、意識を朦朧とさせる


「雷蔵いいなー、ずるい」


近くで三郎の声がして、ぬるりと耳を滑るあたたかいもの
それに意識を少し取り戻して、悲鳴を上げてすぐ、あてられた熱


「っひ・・・っっあぁぁっ!!」
「きつ・・・」
「力抜いた方がいいぞ、雪斗」


ぶんぶんと首を振る
いたい、いたい・・・っ


「い・・・た・・・たす、け・・・っんあぁっ!」
「ほら、力抜けって」


今まで仰向けだった身体をぐるりと入れられたまま反転させられる
そして、三郎の言葉の後すぐに、かぷりとそれがあたたかいものに包まれる感覚
じゅるりと音が鳴る度に、俺は狂いそうになる


「ひからぬけたか?らいほー」
「っしゃべ・・・っや・・・」
「うん、ありがと、三郎」


肉が叩かれる音が早くなり、俺はただ女のように喘ぐしかなかった


「っ!」
「っあああぁぁぁっっっ!!」

今までよりもいっそう大きな声を上げて、俺は果てた
荒い息をしながら、くたりと力が全て抜ける
ずるり、と異物の抜ける感覚がした


「やだよ・・・なんで・・・」
「だって、好きな人とつながりたいって思うのは普通でしょ?」
「そうそう、だから俺も雷蔵もお前とつながりたいって思うんだよ、雪斗」


だから、俺にも雪斗を頂戴
そう言って笑った三郎は、今まで俺がみた中で一番イイ顔をしていたのかもしれない


「っあ!」
「流石に2回目だし、雷蔵のがそのまま残ってるから滑りが良いな」
「じゃ、僕は前ね」
「あぁ、任せた」


さっきのように異物が入って、俺は小さく悲鳴をあげた
けれど身体が適応したのか、先ほどよりも酷くはなくて
むしろ、痛みよりも快楽のほうが増してきた感覚
前後双方からのせめに、俺はぷつりと何かが切れた


「ふ・・・ぁ・・・っさぶろ・・・っらいぞ・・・」


何かを探すように手を伸ばした布団を握っていた手が宙を切る
ぱしりと誰かの手が俺を捕まえて、きつく握った


「雪斗、俺はここにいる」
「僕も、ここにいるよ、雪斗」


両の手が違う手を掴んで、ここにいることを確認して
そうして俺は高い叫び声をあげた
頭が真っ白でなにも考えられない
ただ分かるのはお互いの熱


「雪斗?」
「雪斗」


二人の声が聞こえた気がした
けれど、ただでさえ風邪によりはっきりしていなかった意識は限界を迎え、ぷつりととぎれた







「で?なんでお前等がかぜひいてるんだよ」
「ごめんね・・・」
「悪かったって・・・」


俺はすっかり元気になったにも関わらず、布団に寝る病人が二人
言わずもがな、雷蔵と三郎だ


「ったく、そんなこと言っても、お前等が・・・あんなことするから・・・」


思い出して顔を真っ赤に染める


「雪斗かわい」
「俺たちは後悔してないからな」
「・・・ばーかっ!」


もうお前等なんて知らないんだからなぁぁぁっ!と叫んで、俺は二人の部屋を飛び出した
後ろで、二人が優しい顔をしながら見送っていたことは知らずに





風邪の日注意! 後