既に慣れた登場シーン どさどさっ、と一人じゃない音を立てて落ちてきたのは、萌黄の服を来た男の子"達" 「いててて・・・」 「おもい・・・」 「おまえらおもいんだよ、どけ!」 何度目か分からない迷子たちに、私は仕方ないな、とばかりに苦笑を浮かべた 「いらっしゃい、ようこそ、未来へ」 声をかければぴたり、と動きを止めて、三人の目がこちらを見る そこで初めて私がいることに気がついたのだろう、警戒の色を浮かべている その様子が、まるで三郎のようで、くすり、と小さく笑った 「警戒しなくてもいいよ、私は敵ではないから。・・・むしろ、味方、かな」 「じぶんでいってるやつほどあやしいだろ」 「それは分かっているけれど、それ以上に言えることはないからね。・・・まあ、強いて言うなら、君たちの先輩たちは私の事を知っているよ」 「え、それってどういう・・・?」 「まあ、きちんと説明したいし・・・とりあえず、一番下の子重くない?」 いくら身体が小さくなっているといっても、二人も乗っけていたら重たいだろう、と指摘すれば、一番下に居た子がそうだ、とばかりに声を上げた そんな一番下の子の言葉に、上の二人が降りると、一番下の子が立ち上がる 私は三人を手招きして、寝室からリビングに移動した きょろきょろと見たこともないだろうものたちを見回している様は、何度見ても微笑ましい どんな性格であったとしても、周りを知らないものに囲まれて、それを確認するかのようにきょろきょろとするのだ 萌黄色の制服を着ているということは、この子たちは三年生なんだろう 後輩はいるものの、上に三学年あって、まだまだ子どもらしい落ち着きのなさがある 「そこに座っていてくれるかな、今お茶を持ってくるから」 「・・・それ、どくがはいってるってかのーせいはねーんですか?」 「心配なら、見に来る?」 前に買った湯のみはどこだったかーと思い出しつつ、そう提案すれば、3人でアイコンタクトして、前髪が真ん中わけの子がついてきた 私はなれた様子でキッチンの隅においてある踏み台を持ってきて、置いてやる 戸棚の少し奥から、三人分の湯のみを取り出すと、やかんに水を入れ、コンロに置く その間に緑茶を入れてある缶と、急須を取り出し、茶葉を急須に入れた お湯が沸くのを待っていると、しゅんしゅんと音が鳴らしながら水蒸気をあげるやかんに、お湯が沸いたのを察する 火を止めて、3人分の湯のみと、自分の湯のみにお湯を注いでから、そのお湯を急須に入れて、茶葉が開くのを待つ ・・・流石に、何度もやるとこの作業もなれたものだ、と過去この世界に来た子の顔を思い浮かべた 1分ほど待ってから、急須からお茶を回し入れて、それを小さめのお盆に載せた 「毒なんて入れてなかったでしょう?」 「・・・いれてなかった」 「うん、じゃあ戻ろうか」 私はその子が台から降りたのを確認すると、お盆をもってリビングに戻った 既に慣れた登場シーン 戻 |