新年の朝 私はばふっとのしかかった重さに呻いた そして浮上した意識で聞く声 「おきろ伊織ーっ!わたしははらがへったっ!」 「う・・・お、も・・・」 うっすらと目を開ければ、目の前には小平太の笑顔が しかし、部屋は暗くて、まだ日が明けていないということを知らせている 前日に遅くまで起きていた私は、まだ眠たくて けれど小平太の起きろ攻撃に耐えることが出来ず、しぶしぶとおきることにした 寝不足からか、少し頭がぼぅっとしている気がしたが、きっと少し動けばすぐになくなるだろう 「おはよ・・・」 「おはよう伊織!あけましておめでとうっ!」 にこにこと笑う小平太はものすごく元気で、きっと今起きたというわけじゃないのだろう 私はとりあえず小平太に身体の上から退くように言って、布団から出た まだ部屋は薄暗くて、太陽が出ていないということが分かる ・・・今からだと初日の出が見えそうだ 「さて、お腹がすいたんだっけ?」 「ペコペコだっ」 昨日そばをこれでもかというぐらいに馬鹿食いしてたのに、この身体の胃袋はどうなっているのかものすごく気になるところではあるのだが・・・ あえて今は突っ込まないでおこう、小平太だし 小平太を連れて部屋を出ると、既に他の5人も起きていて、口々にあけましておめでとうといってくれたので、私も返す 「すぐに朝ごはん用意するけど・・・御節はお昼のほうがいい?」 「わたしはいまがいい!」 「ん・・・分かった」 小平太が元気よく答え、他も異論は無いようだったので、私は作っておいた重箱を出す 面倒だったので作っていなかったのだけれど、実家に居るときはよく手伝ったいたもので、一応カタチにはなった 室町時代はきちんと一から作っているのだろうけれど、練り物を作ったりなんてするわけにも行かないので、申し訳ないけれどそこら辺は市販のものだ けれど、一応せっかくだからと17種そろえてみた おかげで寝不足なのだけれど、まあ小平太に起こされてしまったので仕方が無い そしてお屠蘇を用意しようとしてふと振り替える 「どうしたの?」 きょとんと首を傾げる伊作に苦笑いを返して私は流石にあの年齢にお酒はまずいかとやめることにした といっても、精神的には全然問題ないのだろうけれど、身体が変わったから良くないだろう、きっと その代わりにオレンジジュースを出すことにする 「はい、座ってー」 そう言えば、各々が椅子に座る コップにオレンジジュースをついてあげて、私がコップを持てば、それに習い6人もコップを浮かせる 「それじゃ、新年の祝いと健康な一年、そしてみんなが無事に室町に戻れることを願って、乾杯」 『かんぱーいっ!』 そうして各々が重箱の料理に手をつける 「伊織ねえさん、年末からがんばってたよね、これ作るのに」 「そりゃ、きちんとしたもの食べさせてあげたいからね。せっかくこれだけ作りたいものが作れる環境に居るのに、面倒だって理由言ってみんなに食べさせないのは理由にならないもの」 学園のおばちゃんには負けるだろうけどね、と笑えば、長次がそんなことないと首を振ってくれたので、ありがとうと返しておく そしてものすごい勢いで食べる小平太に、早めにお雑煮を準備したほうがよさそうだと、なくなっていくおせち料理を見て席を立った 「お雑煮作るけど、お餅いくつ?」 「わたし三つがいい!」 「小平太はそうだろうね・・・。他のみんなはとりあえず一つでいい?」 案の定多い小平太に、私は苦笑しながら餅を焼いて、出してやる ぬみょーんと伸びる餅に四苦八苦しながら食べる様子は可愛いもので 年末にがんばったかいがあるというものだなと嬉しくなった 新年の朝 戻 |