一難去ってのまた一難 どさり、と音を立てて落ちてきたその姿に、私はデジャヴを感じた 「あー・・・」 「ここはどこだ、おれたちをなんでさらった?」 ちゃきりと刃物を構えて、こちらを警戒する茶色い髪の子ども二人 言葉がたどたどしいわりに・・・精神面しっかりしてるな・・・ 少し前に帰っていた緑色たちを思い出す 「こたえろ!」 「・・・あー・・・とりあえず、落ち着いてそのクナイだかなんだかを降ろそうか」 きっとこの二人もあの6人と同じところからきたんだろう だって色が違うだけで、着てるもの一緒だし 「なんでこれがクナイだって・・・」 クナイを構えた子の後ろにいた、片割れの子がそう呟いた 前の子は、何も言わずに持ったクナイをぎゅっと握り締める 「・・・ん、あれ、あいつら言わなかったのか?」 「なんのことだ」 「6年生、最近行方不明にならなかった?」 「「!?」」 どうして知ってる?そんな感じの表情 まあ、普通は知られてないはずだよねぇ、情報は大事だからもらすことなんてないって仙蔵言ってたし 「アレら保護してたの私だから」 「・・・あのアクのつよいろくねんせいを?」 「・・・ぜんぶ、まとめて?」 「うん」 ホント、留三郎と文次郎は毎日喧嘩するたびに物が壊れそうになるから怒ったり、火薬はないのかと仙蔵に要求されたり、伊作はいつもこけるし、小平太は走り回って部屋が荒れるし、長次は本読みつくしていくし・・・ ・・・アレは濃かった・・・ 遠い目で、そう昔ではない日々を思い出す 「まあ、そういうわけで、当事者だから知ってるに決まってる、って言えばいいか?まあ、二人とも来ちゃったものは仕方ないし、6年生どもが帰れてる時点で、帰れるってことは実証されてるから、まあ帰れるまでゆっくりしてればいいよ」 「らいぞう、しんようするなよ」 「でもさぶろう・・・」 二人でこそこそ話しているのを横目に、私はキッチンに入ってお茶を入れ始めた 部屋にお茶のいい香りが立ち上る あいつらいいもん飲んでたから、そこら辺のお茶じゃマズイってうるさかったな・・・入れ方も悪いって言われたし・・・ ・・・思い返すといちゃもんばっかりじゃない? お茶を3人分持っていけば、まだこそりとこちらを見ながら話している二人が見えた・・・長いな ことり、とテーブルの上に置いて、自分の分をすする ずっと音を立てて飲むと、片方の子の方がびくんと跳ね、こちらをばっと向くと、その子は半分涙目だった ・・・何があったし とりあえず、もう一人もこちらを向いて、目が合ったので聞いてみることにする 「答えはまとまった?」 「・・・・・・」 「あ、えっと・・・よろしくおねがいします」 「はい、よろしくね」 むっすーとしてしぶしぶと言った感じの子と、ほわんとしてる子が今度の家族になりました 一難去ってのまた一難 戻 |