郷に入れば郷に従え! 「せっかく茶をたのしんでいたのに、じゃまをするとはなにごとだこのきもんじめ」 「なっ!しるかそんなの」 「おまえなんていてもじゃまだ、ささっさとかえれ」 仙蔵くんを呼んだら事態が悪化した気がする とりあえず、仙蔵くんがしっしと手をパタパタふった もんじろうくんなるひとは、仙蔵くんの言葉に、拳を握りしめている ・・・いまにもどんぱちしそうだ やったら被害がすごいことになりそうだけど そうこまで思考して、ちらりと後ろを見る 壁に突き刺さった黒いクナイ ・・・修理屋にどう説明するんだ、私・・・ 「伊織ねえさん、どうしたの?」 先ほどあのもんじろうくんとやらの友達が仙蔵くんだと教えてくれた伊作くんは、ため息をついた私を心配そうにみていた 私は彼の頭をぽすぽすと軽く叩いて、大丈夫だと笑った そして私は言い合う仙蔵くんともんじろうくんをぺしん、と叩く 「・・・なにするんだ、伊織」 「てめーなにしやがるっ!」 「郷に入れば郷に従え、ここの家主は私だ。私に従ってもらう」 仁王立ちしてそういえば、後ろから伊織ねえさんかっこいーという伊作くんののんきな声が聞こえた そして留三郎くんの伊織さんおとこらしい・・・という声も ・・・そんなに男らしいのだろうか? 「手始めに仙蔵くん・・・いや、もうくんつけるの面倒だから仙蔵って呼び捨てにするけどさ。仙蔵、湯のみを置いてから喧嘩しなさい、割れたら危ないから。で、喧嘩するのはいいけど手を出すのは禁止、ただでさえあんたドSなんだからなにやらかすかわからないし」 「・・・分かった」 「よし、いい子だ」 ちなみに留三郎も喧嘩は物を壊さない程度にやりなさい、と後ろに居た留三郎く・・・ってくんつける必要ないんだった 留三郎に言えば、自分にも言われると思わなかったのか、少々驚きを顔に出しながら了承した そして私はもんじろうとやらに向き直る 「で」 「な、なんだよ・・・」 「その懐っていうか、持ち物すべて出しなさい」 何でそんなことしないといけないんだ!というもんじろうに、私ははっと鼻で笑った 「さっき言ったばっかりでしょ、郷に入れば郷に従え」 「わたしてころされでもしたらしゃれにならん!」 「なんであんたを殺さないといけないのよ、そんなの利益にもならないのに、馬鹿?」 後ろでねえさんこわーと後ろで呟く伊作の呟きが聞こえた ・・・だって、これくらいしないと駄目そうだし そう心の中で呟いた 郷に入れば郷に従え! 戻 |