もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

忍者してる子






「なんでてめえがここにいるんだよ!」
「それはこっちのセリフだ!」


がるるる!と効果音がつきそうな二人に、私は1つため息をついた
伊作くんはやめなよーと声をかけているものの、仙蔵くんは我関せずといった感じで、ダイニングの椅子に座り、私にお茶を要求している

ことの発端は、やっぱり寝室から出てきた子だった







「・・・ここはどこだっ!」
「・・・・・・またか・・・」


寝室に用事があって、扉を開ければ飛んでくる刃物
カッ!と音がして、後ろを見れば、伊作くんの頭の上で壁に刺さった黒い刃物が見えた
心なしかその下辺りで座り込んでいる伊作くんが涙目だ、可愛そうに


「とりあえず、その刃物を置いてくれない?おちおち話もできない」
「あやしいやつが居るのにてばなすわけないだろう」
「心配しなくても危害を加えるつもりはないし」
「しんようできるか!」


なぜか小さいのに隈のある顔
絶対隈のせいで2、3歳は損してるだろうなぁとか思いながらも、私はなかなか気を許すようするのないその子どもにため息をついた「伊作くん、この隈つけた男の子って、君の友達でしょ?」
「何でいさくがいるんだ・・・?」
「もんじろうは、せんぞうのクラスメイトなんだけど・・・」
「・・・じゃあ仙蔵くんか・・・仙蔵くん!ちょっとこっち来なさい」
「はなしをきけよ!」








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