二人目の家族はアヒルっ子 ちゅん、と雀の鳴く声が聞こえた ・・・起きるか むくりと起き上がれば、ごろりと横に寝ていた伊作くんが寝返りを打った こっちになれて、すっかりお寝坊常習犯の伊作くんはまだまだ起きる気がないらしい きたばっかりのときは、私におそいー!と言っていたくせに まあ、なれてもらわないと私が困るのもあるのだが・・・ 起こさないようにそろりとベットを抜け出した 唐突にくるりとベットを振り返ると、なんだか違和感を覚える ・・・なんだろうか、なんとなく、増えてるような気がするのだ じぃっと目を凝らしてベットを見る 「・・・あ」 ベットと壁の間から生える、足 寝ているようなので、起こさないようにと抜いてやれば、黒髪の、やっぱり犬耳っぽいのをつけた男の子がそこに居た ・・・着てるの、浴衣?でも白いから、寝巻きってやつか、伊作くんは夜着って言ってたけど 「・・・これは・・・」 他の子どもたちも来るってこと? ・・・食費平気なのか私・・・ って言うか、何で来る子みんな子どもになってるんだろうね 私はそれが不思議でならないよ はーっ、とため息をついて、私はその子どもをまだ寝ている伊作くんのとなりに寝かせると、朝食を作るために部屋を出た 私が部屋を出てご飯を作っていると、どさっと重たいものが落ちる音がした 大方伊作くんがこけたんだろう きっとあの男の子も巻き込んでる気がするけど かちゃりと音がして、寝室の扉の開く気配がした そして一緒に聞こえてくる子どもの声 「いてぇ・・・」 「ごめんってば、とめさん・・・」 どうやらやっぱり伊作くんの不運に巻き込まれたらしい 朝から災難な子だ 「おはよう、伊作くん、それから、いらっしゃい、かな?」 「・・・だれだ?」 「ぼくがおせわになってる人だよ、伊織さんっていうんだ。おはよう、伊織ねえさん」 「ご紹介に預かりました、周防 伊織だ。一応、伊作くんが帰れるまでと家族っぽいことやっている。伊織と呼んでくれて構わないよ」 あまりにも普通な様子に気を抜かれたのか、最初の警戒する態度はすっかりなくなっていた どうやら、この家にまた家族が増えるようだ 二人目の家族はアヒルっ子 戻 |