もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

少し特殊なだけで輝かしい個性なんです







いつもいつも依敦依敦と、あの人は僕を精神的に追い詰めたいの?
ホント疲れる、委員会いくのが憂鬱だし、一年にかかりきりになってくれれば僕も平和だけど、何でかしらないけど一日一回はこっち来るし!


「どうにかならないかな・・・っ!?」
「「「無理」」」
「難しいんじゃないかな・・・」


人数の関係で一人部屋な僕の部屋で、僕が頭を抱えてそう叫べば、口をそろえて即答するい組三人と、やんわりとだけどやっぱり否定するシロに、僕はがっくりと肩を落とした
まあ、いつもの様子を見て、いけると思ったらそれはそれでまずいだろうけど
僕は座って、シロにべったりとくっついた


「シロー、癒してくれ・・・」
「えっ、が、がんばれ・・・?」
「俺たちの中でまともな委員長って、久作のところだけじゃないか?」


シロはわたわたと慌てながら、一言返してくれた
でもそれってすごく人事なセリフじゃないかな、シロ・・・
するとそれを見ていた左近が、ぽつりと呟いて
僕らはばっと久作をみた
一斉に向いた視線に、久作は居心地が悪いのか身じろぎする


「図書委員会は・・・声が小さいこと除けば普通だよな」
「そういう三郎次のとこは、豆腐が絡まなければまともじゃないかな、頭良いし」
「シロのところは・・・暴君だし」
「左近酷い・・・でも保健委員会は不運が絡まなければみんな良い人だよね。善法寺先輩優しいし」


みんなの委員会の委員長を思い浮かべてそう言えば、みんな結構まともで
依敦は・・・とこちらを向いた4人は、無言に僕を見るだけだ


「・・・どうせうちの委員長は幼児趣味の変態だよ・・・」
「・・・まぁ、がんばれよ」


ぽんと肩に手を置かれて、三郎次が生暖かい目つきでそういった
嬉しくないし!と三郎次に反抗してから、でもさーと続ける


「あんなひとでも委員長だしさ、凄い器用だし、そういうところは凄いとは思うんだよね、器用なところだけは」
「やっとデレたか、依敦!」


ぽつんと呟くように、ため息交じりで言った言葉に対して、すぱーんといい音を立てて障子が開き、食満用具委員長が仁王立ちしていた
僕はまさか聞かれているだなんて思わずに固まる
ヤバイ、顔がでれでれでコレは今までの経験上誘拐されるかも・・・っ
僕はシロの後ろにまわった
手をわきわきとさせながら近づく委員長に、ゾクリと悪寒がした

正直今連れて行かれたらなにされるかわからないじゃんかコレ


「・・・っやっぱり食満用具委員長なんか大っっ嫌いだぁぁぁぁぁ!」


僕がそう叫ぶと同じくらいに、僕の身体は食満用具委員長の肩に担がれて、さっきまでいた部屋がだんだんと遠くになっていくのだった




少し特殊なだけで輝かしい個性なんです
(特殊すぎるし輝かしくないよ、顔はでれでれだけどね・・・!)







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