もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

男のロマンについて研究しているだけです








「なあ、二年い組ってみんなツンデレだよな・・・」


委員会活動中にいきなりそう呟いた委員長に、僕が引いたのは凄く一般的な反応だとおもう
何故だかうっとりとしながらそういった委員長
・・・ダメだ、救えねぇよこの人
僕に出来るのはせめて後輩達が委員長のようにならないことを祈る・・・いや、ならないように阻止するだけか・・・


「食満用具委員長、なんだかよくわからないことに浸ってないで、さっさと仕事してください」
「おぉ、ツンだな。たまにはデレたって良いんだぞ?」
「馬鹿なこと言わないでください」


ぴしゃりと返せばにやにやと笑う委員長の姿
うわぁぁ、マジでこの人平気かよ、もう末期だって、救えないって
本気で善法寺先輩この人一回殺しましょうよ、そしたらこの変態だって治るかもしれないです!


「馬鹿なこととはなんだ、馬鹿なこととは。良いじゃないか、ツンデレは男のロマンだぞ?」
「・・・・・・」


あぁ、ダメだ、話通じないよ、宇宙人ですか
現在用具倉庫に僕と委員長しか居ない現状に絶望した
助けて作兵衛先輩

といっても、作兵衛先輩は絶賛迷子捜索中
一年は組は補習授業
唯一の頼みである平太だって、掃除の係りで少し遅くなると連絡を受けている

すなわち、僕を助けてくれる人は誰もいないということだ
・・・終わったな、僕の人生・・・


「少しくらい何か反応してくれって」


そういって作業していた僕を捕まえると、抱きしめられる
や、委員長、そんなことしても仕事終わりませんから、いい加減分かってください

それから


「食満用具委員長、この手なんですか」
「うん?依敦は細いなぁ、もう少し食べたほうが良いんじゃないか?」
「・・・・・・」


僕、そろそろ切れても良いですか
セクハラです、訴えたいです
何でこんなのが委員長なんですかこのやろう、理不尽だ


「ほらほら、俺と依敦しか居ないんだから、甘えて良いんだぞ?」


あの、かの有名な台詞、言っていいですか


「・・・っだが断る!!」


そういうと、僕はダッシュで用具倉庫の外に出た
あんなところ二人きりでとかいられないんだよ委員長このやろぉぉぉぉ!!




男のロマンについて研究しているだけです
(ついでに僕はツンデレじゃないです、断固として否定します)







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