もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

15000番 斎藤和威様 今までのこと これからのこと







「名前!」
「さぶろう、名前"さん"でしょ!」
「あぁ、いや、いいよ、雷蔵・・・」


どう頑張っても直さなかったヤツが先輩に居るからねと笑えば、三郎が6年と一緒・・・と呟いた
・・・嫌なんだろうか?


「ちなみにそれって・・・」
「仙蔵」
「すっごいわかるなそれ」


聞きづらそうに聞いてきた雷蔵の問いに、私が間髪居れずに返せば、三郎が笑って納得していた
どうやらむこうでも変わらない性格だったらしい
・・・でっかい体でドSとか・・・
私は考えてげっそりとした
ドSっていうかわがままって言うか・・・とりあえずアレはちっさいから許されるな、うん・・・


「ちなみにほかのせんぱいはどんなかんじだったんですか?」
「それはわたしもきになるぞ!」


雷蔵は遠慮がちに、三郎はこれでもかというぐらいにきらきらと目を輝かせて聞いてきた
私はんー、と思い出す


「そうだな・・・とりあえず一番最初は伊作が落ちてきたんだ」
「そういえば、ぜんぽうじせんぱいがいちばんさいしょにいなくなってたね」
「どうせいつものふうんだろっておもわれてたな、さいしょは」
「あぁ、わかる気がするよ・・・」


だって不運だもんね
その言葉で片付けられる伊作はやっぱり不運だ・・・


「で、まあ、伊作が最初っていうのは楽だったね、結構すぐこっちのこと信じてくれたし」
「あぁ、ぜんぽうじせんぱいおひとよしだもんな」
「さ、さぶろう、そんなこといっちゃわるいよ・・・」
「そこら辺否定できないからタチ悪い・・・」


あははー、と苦笑すれば、ほら、と三郎が得意げに言った
・・・しかしそれは得意げに言うことなのか、三郎・・・
実際、雷蔵がちょっと呆れている


「まあ、続けるとー・・・伊作が来てから1週間位して、朝起きたらベットと壁の間に埋まってたんだよね、留三郎」
「ぶっ」
「うまっ・・・」


これには二人とも笑いがこらえられなかったらしい
三郎は盛大に笑って、雷蔵はこらえながらもやっぱり笑っている


「起きるときは伊作の不運で起きてね、もう伊作がなついてるからいいかなって感じでそのままなし崩しに」
「へぇ・・・」
「でも、きっとそれは名前さんだからしんじてくれたんだとおもいますよ?」
「それだったらうれしいね、他の6年生もそんな感じだったし」


私はそこまで言ってから、さて、と立ち上がった


「さ、ご飯作るよ、手伝ってくれるんでしょ?」
「まかせろ!」
「おてつだいします!」


二人にエプロンを渡して、私はくすりと笑った
なんだかんだ、子どもがいると私は楽しいらしい
さて、この子たちとは帰るまでにどんなことがあるのか、楽しみだね



今までのこと これからのこと







―――――
・・・双忍は双忍でもあんまり絡んでないというか、ほぼ6年生の話になったような・・・?
こんなのでよろしければ貰っていってやってくださいませ
リクエストありがとうございました!

斎藤和威様のみお持ち帰り可です

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