肆壱 くのたま長屋にたどり着けば、そこには5年生が集い、敵を薙いでいた しかし、いつからそうしていたのか、その表情には疲れが伺えた 私は表情を険しくする 私一人ならどうにかなる、けれど、守るべき人が多すぎるのだ そう思ってぎりりと奥歯を噛んだとき、近づく気配を感じた まっすぐにこちらへ向かってきている・・・だが、これは実習を終えた6年生のようだ 私は、ならば任せても良いだろう、と別の場所に残る残党を殺りに行こうとした しかし 私は隠す様子など微塵もない気配が動くのに気づいた そして聞こえる、場違いな声 「もうやめてっ!」 背筋に悪寒が走った 急ぎその様子を確認すれば、一人のくのたまに抱きつき動きを制限した天女サマと、向かい来る敵を自分を犠牲にして殺すくのたまの姿 そしてついて直ぐに残った敵を薙払う6年生が見えた 私は潜んでいた屋根の上離れ、鋼糸で何人かの首を落とすと、怪我を負ったくのたまを運ぶ仙蔵くんに近づいた 「仙蔵くん、その子の傷を見せてもらえますか?」 「二葉先輩・・・帰ってきていたんですか」 私はお願いしますと見せられたくのたまの傷を確認する 毒はなさそうだな、けど傷は深いから、抜いたら出血多量による貧血になり命が危ない、か・・・ そこまで見てから、袖から学園に居るようになってまた持ち始めた救急セットを取り出す クナイを抜くと、直ぐに布で血液の流れを一時止めるため縛り、血をふき取ってから傷口に止血効果のある軟膏をぬり、包帯を巻く そして、医務室に運ぶようにと仙蔵にくのたまを任せると、学園に散らばっている残党を狩るために私は再度闇に身を紛らわせた それは守るべきモノを守るため → 戻 |