もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ

弐壱







学園に帰れば、その場所は普通には分からないほどであるがピリピリとしていた
そういえば、近くで戦をしているんだったか


「残党がこちらにきたり、か?」


呟いてクナイを飛ばす
ぐあっと声がして、男が息絶えた
どうやらしばらくは調理場手伝いだけでなく、周辺警備も必要らしい

人を殺すのは苦じゃないが、人を殺した手で人が生きるための食事をつくるなど、滑稽だな

そう思って意味もなく笑う
ヒュイ、と指笛をならせば、応える羽音


「みんなで食べると良い。そろそろ子供が出来る頃だろう?」


私のことばにキュウ、と鳴いて答え、羽音の主である鷹は男だったものをつついた
バサバサと聞こえてきた羽音はこいつの子供か、それとも関係のない奴か
どちらにしても、あげた物をどうしようと勝手だけどな







―――――
side:??





「恐ろしいな、あの子。だが・・・――――欲しいな」


くつり、と笑う
ちらりとこちらを見ていたから気づいてはいるんだろう
興味無いとばかりに視線を逸らしたが

「あいつが手に入れば、我が忍隊も・・・」
「つよくなる、ですか?」


でも、残念ですね


ひた、と鉄が首もとに当たる
先ほど聞いたばかりの声が後ろから聞こえた

私に興味がないのではなかったのか・・・?!

そう思ったがしかし、今この状態から何かが出来るわけでもなく、私は呆気なく命を刈られることになったのだ





―――――
side:二葉




息絶えたどこかの忍を見下ろす
どさりと音がして、その躯は地に落ちた


「面倒ですね」


ふう、と私はため息をついて、木を降りると、スタスタと死体には目もくれず、学園の門を叩いた


だって、後処理は動物のご飯だからね






刺客?動物の餌の間違いでしょう?







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