ほ かなさんは凄く優しくていい子なんだ、きっと朱も好きになるよ 俺は朱にそういった 実際、朱とかなさんは仲良くなったし、かなさんは凄く嬉しそうで、見てる俺も嬉しくなるくらいだ この調子でくのたまと仲良くなれるよねって笑って朱に言って 朱も笑ったのに ど う し て 「あ・・・兵助、くん」 えへへ、転んですりむいちゃった――― 平気だよ、こんな傷、伊作君に手当てしてもらえばすぐ直っちゃうもの! だから、朱ちゃんには言わないでね――― 少しこわばった顔で、朱には言うなって笑ったかなさん 転んだわけじゃないんだろ?くのたまに突き落とされたんだろ? だって草履を履かないで、廊下から下りるなんて、普通ないんだから ―――どうして、朱は仲良くなれるって笑ったのに、どうしてかなさんはあんな目にあって、泣いてるんだ? 朱、答えてくれよ そういっても、朱は困ったように笑うだけ 俺には話せないのかよ 幼馴染なのに・・・ずっと一緒にいたのに――― もう 思いは通じない → 戻 |