はち ふと目を開ければ白い天井 ・・・いつの間に、眠ってしまったんでしょうか・・・ 木目の見える部屋ではないことに、とても違和感を感じながら、私は体を起こしました 癒えない傷は痛んだものの、我慢できないほどではありませんでした こちらの気配に気がついたのか、背を向けていた人影が振り返るのが分かります 「朱、よく寝てたけど、大丈夫なの?」 「一ツ瀬先輩・・・!」 優しい表情に、少し心配の色を混ぜた表情の伊作先輩と、泣きそうな顔の三反田くん 私は安心させるように努めて笑顔を作りました 伊作先輩にはばれたのか、ぴくりと顔が引きつるのが分かりましたが、三反田くんの前ですから、お咎めは無しでした 私に抱きついてわんわんとなく三反田くんの髪をゆっくりなでながら、私は伊作先輩に苦笑を返しました 伊作先輩は、しょうがないなぁという感じのため息をついて、三反田くんを抱きしめた私ごと、まとめて抱きしめてくれました 腕の中は、当たり前のようにあったかくて 生きている、とそう感じることができました あたたかな腕 → 戻 |