け かなさんがくの一だったという事実に、学園が衝撃を受けていたとき 俺も、確かにすごくショックで・・・ でも、俺は同時に思った なんで俺あの人に夢中だったのかって 殺生はだめ―― それは俺たちがなろうとしている忍者を否定する言葉 白魚のような手―― それはただ苦労を知らないだけの手 浮き世離れした性格―― それはただ争いを知ろうとせずに、目をつぶった結果 それは確かに夢のような世界を話してくれた でも、話だけだった この戦乱の世で、そんな夢物語が現実になる訳じゃない そもそもかなさんは何百年も先の時代だと言っていた ならば、その何百年もの間、争いは続くと、そういうことじゃないのか? そう考えて、愕然とした 冷静になれば、あそこまで夢中になるべき所なんてなかったじゃないか、と思ったのだ そういう意味では、理由はどうあれ、くのたまのかなさんに対する態度の方が正しかったのかもしれない くのたま・・・朱、は・・・? そういえば朱はどうしたんだ? かなさんと仲がよかったから・・・悲しんでるんじゃないか? 朱は悲しいときでも泣かないから、俺が泣かせてやらないと・・・ 俺はふらりとくのたまの敷地近くに向かった その途中で、話し声が聞こえたんだ・・・ 「・・・ちゃんが好きだから・・・だから、僕とつき合ってくれますか?」 「・・・っはい・・・っ」 あぁ、誰かくのたまの子が善法寺先輩とつき合うんだ その時はそうとしか思わなかった だって、俺は朱がしゃべれることを知らなかったから・・・―― 最後に笑ったのは・・・ → 戻 |