もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ







かなさんが、消えてから一夜明けました
学園ではかなさんを勧誘する手紙・・・潮江先輩のみつけた、あの手紙が学園長へと渡り、彼女はくの一だったのだと学園に知れ渡りました

彼女を慕っていた忍たまは悲しみ、騙しされた己の未熟さに嘆くものも居ました
くのたまは、忍たまは馬鹿ねとせせら笑いながらも、もう心配事は無くなったのだと安心していました



私は・・・―――


「朱ちゃん、答えを・・・聞かせてもらっても、いい?」
「私・・・私、体に傷がありますし・・・」
「手当してたから、知ってるよ」
「っ・・・私、くのたま、ですよ・・・、それに、私先輩のお役に立てません・・・っ」


ぎゅっと、下を向いて、手を握りしめました
伊作先輩は、そんな私の手を取って、力の入った拳を解きました


「役に立つか、立たないか、なんて関係ないよ、・・・僕は朱ちゃんが好きだから」


だから、僕とつき合ってくれますか?
私は、思わず伊作先輩に抱きついて、くぐもった声ではい・・・っと答えました




幸せのぬくもり







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