もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ




その日も いつもと同じ平和な学園のはずでした
【彼女】が落ちてくるまでは―――


「きゃぁぁぁぁぁっ!!!!」


響く悲鳴、ざわめく地上、彼女を助けようとする忍たま
そうして彼女を受け止めたのは・・・―――


「大丈夫ですか?」


五 年 生 ―――――


そうして彼らは魔法をかけられたのです
顔を赤らめ、口々に彼らは言いました

天女様―宇佐美かなさんは大変美しく、かわいらしい方だと
彼女以上の女性は居ないと
誰もが彼女に恋をしました





その裏側で「彼女」は泣きました
声無きままはらはらと涙を流したのです


あぁ、神様、これは私に対する罰なのでしょうか
私が彼に・・・兵ちゃんに頼りきりだったから・・・



「彼女」は決意しました
彼にはもう頼らないということを
今までずっと迷惑をかけてきた彼が幸せになれるよう、手助けすると
そうして「彼女」はいつもどおりに微笑みかけるのです
分け隔てなく、誰にでも優しいくのたまの穏健派として




始まりは 決意







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