ゐ 「私は、協力しよう」 私は笑ってそういった 視界の端で小平太が一瞬何か言いそうになったが、何も言うことなく口をつぐんだ 「くのたまも、自分たちの愛する者たちを奪われて悔しいのだろう?一ツ瀬がなだめていたようだったから、表立ってそこまで大きな事は起こらなかったがな」 彼女は度が過ぎた 例えくの一でないにしろ、アレは危険だ 6年の大半が、最初アレに色目を使って居たのだからな・・・ 「協力したくないなら見ていてくれれば良い、簡単なことだろう、何をまよう必要があるんだ?」 文次郎がふっと笑った ・・・隈ができた状態でやられても気持ち悪いだけだがな まあ、今は目をつぶっておこう 「俺は協力しよう、学園に仇なすものならば、排除するのは当然だからな」 鉢屋はちらりと残りの4人に視線をやった 伊作はほぼこちらに近いが、本来の性格があるがゆえ迷っているようだ 長次はどちらかといえば傍観に近いようだな・・・ 「僕は・・・「俺は!」・・・留さん」 「でも・・・俺は、かなさんが悪い人だなんて思えない・・・いや、思いたくないんだ・・・。確かに一ツ瀬の怪我は、かなさんのせいかもしれないが、それでも、・・・!」 留三郎の言葉に、小平太もぽつりと言った 「私も・・・かなさんが好きだ、だから学園に居て欲しいと思う。でも一ツ瀬は・・・」 そこまで言って、留三郎と小平太の背後に人影が現れた その影は二人を気絶させると、ふっと笑った 「ある意味で予想通りというかなんというか・・・」 「まあ、まともな方が半分以上居ていただければよしといたしましょう?」 くのたまの6年二人組――茅野 苑歌(ちの そのか)と八上 千鶴(やがみ ちづる)――だった 「このお二人には今日のことは夢だと思っていただきましょう」 「そうねー、持ってきてるんでしょう?」 「もちろん、抜かりなどありませんから」 二人のくの一はくすくすと笑いながら留三郎と小平太に薬を飲ませる そうして伊作に向けて一言言った 「別に害はありませんから」 「そうそう、今日のことが夢だと思うように・・・ちょっとした幻術みたいなものよね」 相当えげつないというか・・・相変わらずの性格の二人は、そのままそこに座った 鉢屋もくの一二人組が待機していたことを知らなかったらしく、少々面食らっていたが、すぐに私はこれで、と言って部屋を出て行った そうして気配が遠ざかると、先ほどの何もなさそうな(あくまでもなさそうな)笑顔は微塵もなくなった 「私たちはアレが憎いのよ」 「彼女は私たちの後輩を悲しませ、傷つけた」 「私たちにとってはそれだけで万死に値するわ」 「だから私たちは彼女に―――絶望を」 冷たい笑みを浮かべ、交互に話す二人に、少々怯みそうになる けれど私はそれをおくびにも出さず、笑った 「面白いじゃないか」 「仇なすならば消すだけだ」 伊作は小さくうなずき、長次は二人をまっすぐに見つめた その私たちの様子に、二人は楽しそうに笑った さぁ 始めましょう → ――――― 「くのたま6年について」 茅野 苑歌(ちの そのか)と八上 千鶴(やがみ ちづる)は完全オリジナルキャラです Wikiとかで調べた感じ、上級生がいなかったんですよね、くのたま2年はユキとかトモミを筆頭にいたんですけど・・・15歳キャラというのが見当たらず なので6年生は二人、ということにさせていただきました ついでにこの子達、正直最強です←片方はハキハキしてて、もう片方はほんわりみたいな感じで書いてるんですが、二人とも考えてることもやることもえげつないです、お前らどっからそんなこと知ってくるんだっていうくらい情報網が・・・・敵に回しちゃいけない人間に認定されてます 「二人を眠らせた方法について」 女性の力じゃそう簡単に眠らせられませんよね ついでに夢にできるようにしてますし これについてはお酒に似たようなものの強いバージョンを嗅がせています 強制的に酔いを回らせるって感じでしょうか(まあ、要するに私が考えてなかったんですが) 突っ込みたくてもスルーしてくださると嬉しいです 戻 |