む ジジッ・・・ 灯の火が鳴いた 「それで、人を集めて何のつもりだ、文次郎」 「・・・お前らは―――」 ―――かなさんについて、どう思っている これを聞いて、俺にとっていろよい返事がなければ、集まってもらったことに意味はなかった しばしの沈黙の後、伊作は小さく言った 「・・・僕は・・・朱ちゃんが二度死に掛けるのを見たよ。一度目はかなさんを庇って、二度目は、今日、かなさんと朱ちゃんでお茶をして、朱ちゃんの方にだけ、新しく見つかった毒が入っていた。二回とも、かなさんが絡んでいるのに、僕はかなさんが害のない人だとは思えない」 伊作の言葉に、続き、答えたのは仙蔵だった 「二度あることは三度ある、か?・・・どちらにせよ、あの天女が居る限り、先日の騒ぎがまた起きないとも限らない。それだけでも、十分害のあるものではないかと私は思うがな」 長次はぽつりと言った 「・・・大きな事が起こる前に芽を摘むこともまた必要だ・・・」 小平太と留三郎は、苦い顔をしながら、そうだな・・・とつぶやいた やはり、それぞれそれなりに天女に対して、不信感は抱いていたようだ 俺は昼間、天女の部屋に置いてあった手紙の写しを取り出した 「昼間、一ツ瀬が倒れてすぐに部屋を見たときあったものを、写した」 ―天女殿 天女と偽りて学園に取り入る手腕、大変見事であった そなたを手放しにしておくのはとても惜しい、故に我が城に学園の何れかの 首もちて登城すること希う そなたが吉報持ち我が城の利となることを期待している――― 「ふん・・・やはり間者だったか」 「首って・・・・じゃあ朱ちゃんが死に掛けたのはこれのせい・・・?」 ある意味災難ではあるが、一ツ瀬は巻き込まれただけだと言うことだ 「これを見て、お前らは彼女を"天女"であり"学園に害をなさぬもの"としてみるか?」 真夜中の秘め事 → 戻 |