もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ






鉢屋くん

「一ツ瀬か」


先日あいつに、間接的にだが怪我をさせられた一ツ瀬が立っていた
向こうから話しかけてくるなんて珍しいな・・・


「・・・時が」


来たのか?
そう問うと、一ツ瀬は何でもないように微笑んで、けれど確かに頷いた

一ツ瀬はすっと近くによると、キスするかのように顔を近づけた
・・・実際には懐に紙を入れられただけだったが
一ツ瀬はお願いしますね、というように笑って廊下の角に消えた




人が滅多にこないその場所で、俺は一ツ瀬に渡された紙を開いた
そこには、詳しいことは口頭で説明するから、綾部と伊賀崎を連れて子の刻に今私がいる場所に、と書かれていた
口頭と言う部分から、一ツ瀬ではなく、くのたま六年生であると予想はついたが・・・
・・・さすがに六年間いるだけあって二人しか居ないのに性格が悪くて忍たま六年生と五分なんだよな・・・


読み終わった紙は燃やすと、綾部と伊賀崎に伝えるため、その場を後にした



時は 満ちた







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