れ あの日から二週間がすぎました 最初は起きあがることすら困難で、不自由な生活を余儀なくされていましたが、傷も塞がり、後少しで包帯をとってもかまわないと言うところまで回復しました 「朱ちゃん、ご飯だよ、起きれる?」 「・・・伊作先輩、そこまでしてもらわなくても、私自分で出来ますから・・・」 「駄目だよ!朱ちゃん、放っておくとなにするかわからないんだから・・・」 保健室の住人となり、いつも世話を焼いてくれる伊作先輩と仲良くなりました 名前で呼び合うのは・・・声が出るようになったのを秘密にしてもらうための交換条件でしたが・・・ 少々過剰かとも思いましたが、妹のように扱ってくれる伊作先輩に、なぜだか小さい頃村にいた時を思い出し、少しだけ悲しくなりました 母から逃げ出し、今の両親に拾われ、そして兵ちゃんと兄妹のように過ごした幼い日々が、ひどく遠くなっていました――― そうして退院した後 私たちは動き出したのです 「朱」 「私たちは動くわ、あの天女とかわいがられている彼女を・・・――」 先輩方の言葉に私はこくりと頷きました 先輩方 忍たまに、彼女をよく思っていない方がいるのです 彼らに、動き出すと、つたえてもかまいませんか? 先輩方は企むような、そんな笑顔を浮かべました 「あら、全員うつつを抜かしてるわけじゃなかったのね」 「朱、それはどなたなの?」 忍たま五年鉢屋三郎、四年綾部喜八郎、三年伊賀崎孫兵の三人です 先輩方は楽しそうに笑うと、声をそろえて構わないわ、と言ったのです 動き出す → 戻 |