ぬ がらり、と音を立てて背後の障子が開く音 慌てたような、後輩たちの気配 そして、隠すつもりなど微塵もない、かなさんの気配が、廊下に現れたのです 「・・・もうやめてっ!」 私は彼女が何をしたのか理解できませんでした いえ、正確に言えば、理解したくなかったのかもしれません 私の体は動かなくなりました 背後に来たかなさんによって、私の体は動けないようにと抱きしめられていたのです ・・・普段なら、一般人の力で抱きしめられても、すぐに抜けだすことができたでしょう けれど、張りつめた気持ちだけで動かしていた体は、もう既に限界でした 私は・・・死ぬのですか・・・? 私は覚悟を決めました 何もしないまま死に逝くのでしょうか それは、否 私とて、くの一として五年間教育を受けた身 むざむざとただやられることなどしません 私は無い気力を振り絞り、かなさんを振り切ってくのたまの後輩たちに向かって突き飛ばしました 近づいてくる敵に自身の死を予感しながら、私は相打ちとなるためクナイを握り締め、そして・・・ ぴしゃっ 血が吹き出る音 どさりと音を立てて崩れ落ちる敵 敵のクナイが刺さったのは、肺 心蔵をそらすように体をずらしたとは言え、さすがにきついですね 霞む視界の端で、こちらを身ながら茫然と立ち竦む、兵ちゃんが見えた気がしました 暗 転 → 戻 |