もう一度だけ 名前を呼んで | ナノ




天女様が来て2週間
良くないことは、こちらの予想よりもはるかに早く訪れるものです



学園は騒然としました
どこから聞きつけたのか、忍術学園に天女がいると知った何処かの城が、我が城にと命じたのだそうです
このようなときに限って、忍たま6年生は善法寺先輩を除いて忍務へと出払っており、善法寺先輩も病ゆえ動ける状態ではなく
忍たまの4、5年生と、私たちくのたまが対応することとなってしまったのです
偶々くのたま長屋へと来ていたかなさん・・・天女様は、くのたまの下級生と共に居てもらっていました


相手はプロ、対して、こちらは経験など殆どない忍者の、あるいはくの一のたまご
退けることが難しいと思いつつも諦めるわけには行かず、傷だらけになりながらも、私たちは必死でした

後少し乗り切れば、そう思い張りつめた緊張だけで己の体を動かしていた私たち
そこで起きた誤算は、私の中でかなさんへの感情を変えてしまいそうになるほど、衝撃を受けるものでした



――――――

部屋の中は暗くて、周りはくのたまの子ばっかりですごく居心地が悪い
だって一緒にいるくのたまの子達の目が怖いんだもん・・・
見方になってくれる忍たまの子は外にいるけれど、あたしのために戦ってくれてる
同じくのたまの朱ちゃんだって、外に居て
くのたまの子も、外にいる敵も怖くなった

そのときひらめいたの
こっちが応戦しなければ、きっと話に乗ってくれるんじゃないかって
だって、話し合いで解決したほうが平和だもの!
あたしはそうして仲の悪い子と仲直りできたもん、だから、大丈夫!
そうと決まれば早速みんなを止めなくちゃ

すくっと立ち上がると、周りのくのたまから不審な目で見られたけど、気にしてなんか居られない
廊下に繋がる障子を開けると、丁度朱ちゃんがすぐそこにいた


「・・・もうやめてっ!」


あたしは叫んで朱ちゃんに抱きついた
これ以上動かせないために




天女が故に








- 10 -