そんなお馬鹿な少年少女を、上から見ている姿があった。
彼らが話す教室の、天井のすぐ近く。
浮いている状態。
少年少女は気付いていない。
その浮いている青年たちに。



『うははははッ！！こんなおバカたちが俺たちを救ってくれンの！？』
『上からの命令なんだって。神降ろしの原理すら知らないらしいんだけどさ』
『へぇ？どんな力が作用して何が起こってるかも知らないお子様に神を救出させようって？…馬鹿なこと考えンなぁその上とやら』
『ちょっと酷だけどね…、とりあえず、選ばれるだけの実力を持ってる子たちだ。
どう？手駒としては良物件だと思うんだけど』
『……………うん、気に入った』


こくりと頷いて、青年は少年少女をじっくりと見る。


『アーノルド・クレイグ、
　フェイ・チャーチル、
　テオドール・デヴィッドソン
　キーツ・カルディコット
　ユリウス・ランズウィック、
　ハーティ・バートウィッスル、
　エティ・フラムスティード、、、
……七人、か。全員じゃない分ちょっと人数足りないけど』


さい先のいいスタートかな、なんて笑う彼。
彼の口から出る名前は、彼らのフルネームである。
名乗ってもいない、名前までわかるのは。
彼が神であるが故か否か。
別の理由からなのか。


『………全員神は半信半疑だなぁ。…これで"神懸かり"なぞおこしたら…くくくッ」
『…ゼウス、何考えてる？』
『何考えてると思う？』
『…何でもいいけど神の威厳を損ねるようなことはしないでよね？怒られるのボクなんだから』
『心配すんな、ちょーっと乗り移ってやるだけだからさ』


ゼウスの視線は、とある少年へと向く。




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