山田着任。



山田賢吾、24歳男性。
大学卒業後二年経過。
職業、無職。
趣味、某笑顔動画。
   漫画喫茶通い。
   アニメ鑑賞。

そんな僕は半年前、突如母親に、経営している喫茶店に専念したいからという理由で。
所有アパートの大家の役を押し付けられた。
そのアパートは僕と両親が住む家の裏にある。
僕も何度か行ったことがあったところだが、正直なところ住んでいる人たちが個性的過ぎるから。
僕はちょっと、あそこの住人は苦手対象だったりした。



「母さん何考えてんの…ッ!?」
「アンタがいつまでも家に引きこもってるのが悪いんだろうがバカタレ」
「たまに外に出てるじゃないか!」
「何をしに?ネットカフェやら漫画喫茶に遊びに行ってるだけだろう」
「ゔっ。」
「仕事しろ若者、でなければバイトでも何でも探すんだね」
「ちくしょう…ッ」



つまり、正論を吐き捨てる母親に僕が勝てる訳もなく。
僕は半年前から大家さんになった。
何をするかもわからない僕だったけど。
とりあえず家賃徴収に行けと言われたので、住人の部屋を回って顔見知りにでもなろうと思って行った各部屋。
確かにこのアパートには個性豊かな人たちが住んでいる。
管理するのは大変だ。
正直すごく困る事態に発展したりすることも少なくない。
僕が大家に就任してからお巡りさんが来た回数なんか、、、
…多すぎてちょっと数えたくないくらい。
だけど、
そんな彼らにも、探そうと思えばいいところがたくさんある。
そんなことに気付いてからだろうか。
始めは嫌だった大家の仕事が少しずつ楽しくなってきた。


これから月1の家賃徴収に行こうかと思う。


お暇な人はどうぞ、
うちのアパートの個性豊かな住人たちに会っていってください。
そして、少しでも楽しんでいって下されば幸いです。




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