0524 #忙すい。
あるところに、"地球"を研究していた、とある一人の科学者がいた。
科学者は、地球の歴史を辿っていた。
何故人間には素晴らしい頭脳があるのか。
何故他の生き物は人間のような賢い(と彼は言う)頭脳を持ち得なかったのか。
人間と他の生き物の違いは何なのか。
何故違いが出たのか。
科学者の疑問は絶えなかった。
生き物が様々な進化を遂げる過程を、
様々な学者が論文で発表している。
科学者はそれを一通り読んだ。
読んだが、どれもいまいちしっくりこなかった。
科学者は思った。
『この目で進化の過程を見れたならば。』
地球が、生き物が、
どんな進化を遂げてきたのか、
それをこの目で見ることが出来たならば、あるいは科学者の疑問は多少解決するかもしれない。
しかし、手段がない。
タイムマシンなんてこの世にない。
神でもない限り、過去を遡ることなんて出来やしない。
この世を創造した、神でもない限り。
科学者はふと思った。
科学者は思い付いた。
そうだ。
『地球を一から作ってみよう』
地球の成り立ちの原理を大体理解していた科学者は、
出来ないことを大前提に、遊び半分で地球を作ってみることにした。
まず手始めに、
科学者は宇宙の始まり、ビッグバンを忠実に再現してみることにした。
厳重な密閉空間、
温度調節の自在な空間、
現代科学の技術を結集したとても大きな"部ハコ屋"の中、
あらゆる方法で宇宙を再現した科学者は、
とても小さな、小さな小さなビッグバンを起こしてみた。
すると、
世界は瞬く間に広がっていった。
目映い光が視界を覆い、気付いた時には黒いモヤが部屋の中心に浮かんでいるのが見えた。
とてもとても小さな、ミニチュアの宇宙が出来上がった瞬間だった。
科学者は、
部屋の装置をいじくり回し、
何時しか小さな太陽系を作り上げていた。
太陽、水金地火木土天海、(冥)、
全て軌道修正をして、大きさを補正して、
小さな太陽系を作り上げていた。
ある日、
科学者は部屋の装置をいじくり回すことで、時間を操ることが出来ることに気が付いた。
科学者は時間を操りまくった。
結果、地球と称される小さな天体惑星は、
科学者のいる地球とほぼ同じ過程を歩み始めた。
ある日、疑似惑星に隕石が衝突した。
ある日、疑似惑星が氷に覆われていた。
ある日、疑似惑星に爆発的に生物が広がっていた。
ある日、科学者は部屋に入ることで、空間が歪むことに気付いた。
歪んだ空間は歪ながらも道を作り、
成長した疑似惑星へとトンネルを作った。
トンネルを通ると、万物が何らかの作用で縮小するようだった。
しめたと思った。
科学者はあらゆる機材を持ち込んで、疑似惑星を徹底的に調べまくった。
ある時は地中測定・実験をした。
ある時は部屋の時間をいじくった。
ある時は微生物を持ち込んでみた。
するとどうだろう。
疑似惑星は、
地球とは違う変化を遂げ始めた。
科学者は気付いた。
惑星に生きる生物が地球とは違うことに。
科学者は気付いた。
惑星の地形が地球とは違うことに。
科学者は気付いた。
惑星に、地球にはない謎の"気"が巡っていることに。
そして、それらの事象を調べようとした矢先、
科学者はとんでもないことに気付いてしまった。
それは、長らく滞在していた疑似惑星から久し振りに戻ってきた時のこと。
科学者は、
作り上げた宇宙空間が、部屋を圧迫するように広がっていることに気付いた。
今まで滞在していた疑似惑星が巨大化していることにも気付いた。
これは自分の手に負える代物ではないと、
悟ることは容易かった。
科学者は疑似宇宙を手放すことを決めた。
広がり続ける世界を、作ったハコごと宇宙に捨てることにした。
西暦4568年、
3月17日午前10時30分。
ありったけの技術と念のための通信機材を乗せたロケットが、
煙をあげて宇宙へと旅立った。
当初の予定では、宇宙空間を燃料が尽きるまで進ませた後、
慣性の法則により何処までも進ませるハズではあったが。
幸か不幸か、
旅立ったロケットは宇宙に出て、
太陽系を抜けた辺りで、
小さな小さなブラックホールに、
吸い込まれて消息を絶った。
通信機からの応答はなし。
ブラックホールに呑み込まれたのだから跡形も無く消えたのだろうと、
誰しもに思われた疑似惑星。
これは、
そんな経緯を以てして生まれた惑星に生きる"人間"たちの、
歴史の一部始終を語る物語である。
………みたいなのを考えてみた。
プロットキャラクターいろいろ考えてるけど忙しすぎて何も出来ないから手つけられない。
一ヶ月かけてようやく魔女と王子と一般人のお話up出来そうで出来ないいらいらなとっぺであります元気です(´・ω・`)←
課題多いけど頑張る!