しばらくして落ち着いたあと、もう一度状況の整理をしてみたが、ここがどっかの学校?の保健室であり俺は怪我をしたらしく誰かに包帯を巻かれて寝かされていた、ということしかわからなかった。否、記憶に無いのでわかるわけもないのだが。

とにかく出よう、とベッドを降りカーテンを開くと、やはりそこは保健室のようである。保険医は…いないのか。

ぎし、と小さく軋む簡易ベッドから立ち上がり、室内を歩く。
ふ、と薬品棚のガラスに映った自分の姿を見て驚愕した。


「俺…、こんな顔やったっけ…?」

というよりは、自分が何故驚いているのかすらもよくわからなかった。
柔らかい色に染められた(のだろうか?)髪に、異様な程に整っている顔のパーツ。
二重。通った鼻筋。薄い唇。

一言で言うなら綺麗な顔。

これが自分の顔、なのだろうか。
自信は無いが、映ったソイツが自分と同じ動きをしているので間違いではないのだろう。

しかし変だ。

何故今更自分の顔に驚いているんだ?人間なら生きてる内に何度も自分の顔とは対面するはずだ。それがまるで、今始めて出会った、かのような反応をしてしまっている。

一体何なんだ?


というか俺は誰や?



生まれは、大阪。
おとん、おかん。それに姉貴、妹。猫。カブリエル。

…で?




俺は…………誰や?

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